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駅から徒歩10分以上でも、販売好調。岐阜の超高層マンション、なぜ?

櫻井幸雄住宅評論家
ライオンズ岐阜プレミストタワー35の建設地。筆者撮影

 大京と大和ハウス工業が売主となる「ライオンズ岐阜プレミストタワー35」が好調に売れている。地上35階建て・全335戸のマンションなのだが、この春販売を開始して最初の2ヶ月で75戸が売れてしまった。

 大騒ぎするほどの数字ではない、と思うかもしれない。しかし、2年がかり、3年がかりで売り切ればよい、というゆっくり販売が当たり前の地方マンションでは驚異的な数字である。

 しかも、このマンション、いわゆる「駅近」ではない。

 「駅近」といえる基準は、「駅から徒歩3分以内」とも「駅から徒歩5分以内」ともされるが、「ライオンズ岐阜プレミストタワー35」の建設地は、駅から歩いて10分を超えている。

 名鉄名古屋線の名鉄岐阜駅から徒歩11分だし、JR東海道本線の岐阜駅からは徒歩13分。マンションは駅近以外買うべきではない、と考える人には、許せないほど駅から遠いのだ。

 だから、販売前は売れ行きを危惧する声もあった。にもかかわらず、好調に売れているのは、地方都市ならではの事情がいくつか重なっているため、と考えられる。

 首都圏に住んでいると、なかなか理解しにくい、地方マンションの事情を解説したい。

地方において、駅から離れた場所は……

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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