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住宅ローン減税減額で、マンションが売れなくなる?過去の状況を踏まえて予測した

櫻井幸雄住宅評論家
首都圏をはじめ、地方都市でも今はマンションがよく売れているが……筆者撮影

 税制改正大綱が決まり、住宅ローン減税の大幅な減額が決まった。

 この情報を得たとき、ローン減税に関する知識がある人間の多くはこう思ったはずだ。

 「もともと、大型の住宅ローン減税といっても、払っている税金が少ない人はフル活用できなかった。だから、減額されても影響なしの人が多い。むしろ、フル活用できるので、気分がよいはず」と。

 たとえば、年収500万円とか400万円の人が5000万円程度のローンを組んで、高規格の新築住宅を購入すれば減税をフル活用できる。その期間が13年も続くので、結構得ではないか、というわけだ。

 しかしながら、これは年収に対して不相応なローンを組むことを前提にしたもの。年収500万円で5000万円のローンを組むのは無謀といわれかねないし、ローンの審査が通るか疑問だ。

 また、新築一戸建てであればZEHをはじめとした高規格住宅が多いが、マンションには少ない(基準が大きく異なることが原因)ため、新築マンション購入者の多くの人は「ローン残高3000万円まで」となってしまうという問題もある。

 結局、今回の住宅ローン減税減額で「戻ってくる税金が大幅に減る」という人が多くなる。それは、紛れもない事実だ。

 では、そのことが2022年のマンション市況に影響を及ぼすのか。

 過去、住宅ローン減税の減額が実施されたときの状況を振り返り、現状に当てはめて、都心高額物件、準都心7000万円台物件、郊外4000万円台物件の3パターンで検証・予測を試みたい。

過去の減額時期に起きた興味深い現象

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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