【藤沢市】「色は青、そして奇妙な文字」不思議なパワーが降り注ぐ「謎を秘めた鳥居」を調べた
【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~
藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。59カ所目は「江の島弁財天仲見世通り」の入り口に建つ『青銅の鳥居』です。
延亨4年(1747)創建、文政4年(1821)に再建された現在の『青銅の鳥居』。八百屋善四郎が世話人となり(19世紀初めに江戸で繁盛した料理屋「八百善」の主人)、鋳物師の粉川市正藤原国信が制作したといわれ、自然災害にもじっと耐えながら現在に至るまで約200年の時を刻みます。
『青銅の鳥居』の足元に建てられた案内板によると、元は「木製の鳥居」だったとのこと。「江嶋大明神」と書かれた鳥居の扁額(後宇多天皇による直筆の複製)にある特徴的な筆跡は「弁財天のお使いである蛇をかたどったもの」とも書かれています。とても不思議な力を感じる筆跡で、『江島神社』の御朱印にも使われていますよ。
また『青銅の鳥居』を管理する『江島神社』の杉本さんにお話をうかがうと「昔、この場所は海だったそうですよ」と教えてくれました。また藤沢市の「電子博物館 みゆネットふじさわ 江の島歴史年表」を見ると、原始時代(およそ2万年前)に「片瀬から離れて独立した島となる」と書かれており、長い年月をかけて地形が変化した記録が残されています。
そんな『青銅の鳥居』の両柱には、再建に協力した寄進者の名前が彫られています。
『青銅の鳥居』奉納者についても、藤沢市の「電子博物館 みゆネットふじさわ」のなかで次のように解説されています。
奉納者のなかには「江戸吉原(遊廓)」の花魁だった「代々山」の名前も彫られているのだとか…。江の島へ渡る際、いつも当たり前のようにくぐり抜けていた『青銅の鳥居』ですが、さまざまな業種の大勢の人の協力によって建てられていたのですね...。
ちなみに「青銅」を用いた鳥居は、全国的にも「レア鳥居」と呼ばれているそう。他県では東京都『靖国神社』、静岡県『大頭龍神社』、群馬県『榛名神社』、石川県『松任金剣宮』、山口県『防府天満宮』などで見られるようですよ。
最後に…
毎年6月30日に執り行われる『江島神社』の「水無月大祓式(日常生活の中で知らず知らずに犯した罪や穢(けが)れを払い除く祈りの儀式)」の際に設置される「大茅(おおち)の輪」。杉本さんは「コロナ禍が続いたここ数年は、疫病退散の意味で『辺津宮』に常設していました」と話します。「大茅の輪」は『青銅の鳥居』に取り付けられることもありますので、機会があればぜひそちらにも注目を(毎年ではありません。詳細は『江島神社』までお問い合わせください)。
基本情報
『青銅の鳥居』
住所:藤沢市江の島1丁目4-1317
※駐車場は無いため、行かれる際は公共交通機関をご利用ください。
取材協力 江島神社 杉本様
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