米陸軍の無人型HIMARSことAMLがパラオでPrSM弾道ミサイルを用いて撃沈演習を実施
6月21日にアメリカ軍は、6月7日~6月18日の日程で太平洋全域(ハワイ、日本、グアム、マリアナ、パラオなど)で行われていた多国間演習「ヴァリアント・シールド2024」において、6月16日にパラオでSINKEX(実艦標的撃沈演習)を実施したと発表しました。出典:アメリカ軍広報DVIDSその1、その2
この撃沈演習には第3マルチドメイン任務部隊(3rd MDTF、ハワイ)および第1-181野戦砲連隊(テネシー州兵)、そしてアメリカ陸軍戦闘能力開発軍団(DEVCOM)の航空ミサイルセンターおよび地上車両システムセンターが開発中の新型無人兵器「AML(Autonomous-Multidomain Launcher、自律型マルチドメインランチャー)」をもって参加しています。
AMLから発射されたのは量産が始まったばかりの新型短距離弾道ミサイル「PrSM」が2発です。AMLとPrSMの両兵器の撃沈演習への使用は初めてのことです。アメリカ国外での発射も初めてです。
AMLはHIMARSの発射車両からの改造だが、発射機が異なる
- AMLの発射ポッド未搭載状態
- AMLの発射機を起立した状態
AMLの発射機が起立した状態を後ろから見る限り、発射ポッド(GMLRS/ER-GMLRSなら6発、ATACMSなら1発、PrSMなら2発を収納)は2個分が搭載されていることが確認できます。
- AML:発射機は自己装填クレーン無し、発射ポッド×2個
- HIMARS:発射機は自己装填クレーン有り、発射ポッド×1個
AMLはHIMARSの発射車両を改造し、無人化にあたり運転席の上半分が切り取られています。そして発射機の形態も異なり、新しい「PFAL(パレット化野戦砲兵発射機)」と呼ばれるものが装着されていると見られます。PFALは自己装填クレーンが無い代わりに同じスペースに2倍の搭載量となり、またより全長が長いミサイル・ロケットを装填可能な異なるサイズの発射ポッドを用意することも可能です。
- PrSM短距離弾道ミサイル
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