米陸軍の無人型HIMARS、自律型ミサイル発射車両AML
6月16日にアメリカ陸軍が無人ミサイル発射車両の試験を行ったと発表しました。AML(Autonomous Multidomain Launcher、自律型複数領域発射機)と呼ばれるもので、既存の有人車両のHIMARS(高機動ロケット砲システム)を改造して無人化したものです。
実車の映像はまだ公開されていませんが、アメリカ陸軍戦闘能力開発軍団( U.S. Army Combat Capabilities Development Command : DEVCOM )が新しいイメージCG動画を公開しています。
海兵隊の無人ミサイル発射車両「ROGUE Fires」(対艦ミサイル型はNMESIS)は4輪車両のJLTVを無人化したものでしたが、陸軍のAMLは6輪車両のHIMARSを無人化します。無人化することで操縦席を無くし、空いた容積を利用してミサイル搭載用に拡充するコンセプトは同じですが、ベース車両が6輪と大きい分だけAMLの方が長いミサイルを積めます。
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AMLの発射ポッドは従来のHIMARS・MLRS用の発射ポッドよりも3割ほど長くなっており、ロケット弾やミサイルをより長いものを積むことが可能です。どのようなミサイルを積む予定なのかはまだ発表がありませんが、陸軍は海兵隊ほど機動性を追及せず、より射程の長いミサイルを搭載できる6輪の無人発射車両を選択しました。
有人型HIMARSにはGMLRSロケット弾、ATACMS短距離弾道ミサイル、PrSM短距離弾道ミサイルまでが搭載可能兵器ですが、無人型AMLは「その他の既存/将来」という項目があり、もっと長い兵器が搭載可能とされています。
車両は自律型と言っても大まかな指令を必要とする半自律型であり、有人車両の後を付いて行くといった運用も考えられています。単独での行動や遠隔発射も行えます。車体各所に複数のカメラやLIDAR(レーザー画像検出・測距)を搭載し、GPS受信機と通信アンテナを装備しています。
自動運転という技術は民間よりも先に軍隊で大規模な実用化が行われるのかもしれません。