東北楽天ゴールデンイーグルス（2005年～）を除くと、21世紀に入ってから通算勝利の球団記録が塗り替えられたのは、中日ドラゴンズだけだ。山本昌が、2012年４月30日に212勝目を挙げ、杉下茂を上回った。

　現在、球団記録まで100勝未満の投手がいるのは、２球団だ。東北楽天では、早ければ来シーズンにも、則本昂大（80勝）が田中将大（99勝／現ニューヨーク・ヤンキース）を追い越す。今シーズンの可能性も、ゼロではない。一方、福岡ソフトバンクホークスの和田毅（130勝）が皆川睦雄（221勝）を超えるには、92勝を要する。和田は39歳。あと15勝を積み上げると日米150勝、20勝を挙げれば日本プロ野球だけで150勝に到達するが、そこまではいけたとしても、さらに先のマイルストーンは難しいだろう。

　則本の次に、球団記録を更新できそうなのは、北海道日本ハムファイターズの有原航平（52勝）だ。現時点の通算勝利は、土橋正幸（162勝）の３分の１に満たないものの、2015年の一軍デビューから５年続けて８勝以上を挙げ、トータルの52勝は、この５年間では、菅野智之（読売ジャイアンツ）の62勝、クリス・ジョンソン（広島東洋カープ）の57勝、千賀滉大（福岡ソフトバンクホークス）の53勝に次ぐ（則本は51勝）。昨シーズンの15勝は、読売の山口俊（現トロント・ブルージェイズ）と並び、両リーグで最も多かった。

　ただ、有原はメジャーリーグで投げることを望んでいて、昨年12月に契約更改の交渉を行った際、球団に伝えたという。日刊スポーツなどが報じている。

　なお、ダルビッシュ有（現シカゴ・カブス）と大谷翔平（現ロサンゼルス・エンジェルス）は、メジャーリーグへ移る前に、北海道日本ハムで93勝（７シーズン）と42勝（５シーズン）を挙げた。大谷は打者としても、48本のホームランを打った。

　他の球団記録については、こちらで書いた。

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●シーズン本塁打の球団記録。半世紀以上前に、野村と王が打ち立てた記録は今もなお最多

【訂正】表において、金田正一の「年」に誤りがありました。誤）1950-65、正）1950-64、です（2020/3/28、訂正済）。