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通算セーブの「球団記録」を持つ現役投手は4人いるが、その記録をさらに伸ばすのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
藤川球児 DECEMBER 3, 2007(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 通算セーブの球団記録を持つ現役投手は4人いるが、彼らのうち、その記録をさらに伸ばしそうなのは、阪神タイガースで通算241セーブを挙げている藤川球児だけだ。

 オリックス・バファローズで通算156セーブの平野佳寿は、2018年にメジャーリーグへ移った。アリゾナ・ダイヤモンドバックスで2シーズンを過ごし、現在はシアトル・マリナーズに在籍している。

 東北楽天ゴールデンイーグルスで通算139セーブの松井裕樹は、今シーズンから先発に再転向する。

 福岡ソフトバンクホークスで馬原孝浩と並ぶ通算180セーブのデニス・サファテは、ほぼ2シーズンにわたって欠場している。最後に公式戦で投げたのは、2年前の4月15日だ。その上、復帰を果たしてもセーブ機会が巡ってくるかどうかはわからない。代わってクローザーとなった森唯斗は、2年続けて35セーブ以上を挙げている。

 なお、福岡ソフトバンクの球団記録を持つ2人は、NPBの他球団でも投げたことがある。馬原は福岡ソフトバンクの後にオリックスで2セーブ、サファテは福岡ソフトバンクの前に広島東洋カープと埼玉西武ライオンズで計54セーブを記録した。

筆者作成
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 今シーズンは、球団記録を塗り替える、あるいは球団記録に並ぶ投手も、現れないかもしれない。

 球団記録に最も近いのは、通算74セーブの澤村拓一(読売ジャイアンツ)だ。あと19セーブを挙げると、通算93セーブの角三男マーク・クルーンに並ぶ。とはいえ、読売のブルペンには、ルビー・デラロサ中川皓太チアゴ・ビエイラがいる。澤村がクローザーを務めることは、まずなさそうだ。

 それよりも可能性が高いのは、通算103セーブの増田達至(埼玉西武)だろう。あと32セーブで、通算135セーブの豊田清に追いつく。昨シーズン、増田は自己最多の30セーブを挙げ、防御率は1点台だった。ただ、こちらも予断は許さない。シーズンが短縮されて試合数が減るか、試合数はそのままでも日程が過密になれば、セーブを積み重ねるのは、例年よりも難しくなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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