ヒットの球団記録。昨年、埼玉西武の通算記録を塗り替えた、栗山巧に続く選手は現れるのか
通算安打の球団記録は、近年、更新が相次いでいる。2018年は東北楽天ゴールデンイーグルスと阪神タイガースの2球団、2019年は埼玉西武ライオンズの記録が塗り替えられた。東北楽天では、嶋基宏(現・東京ヤクルトスワローズ)が鉄平(850安打)を上回り、嶋を銀次が抜いた。阪神では、鳥谷敬(現・千葉ロッテマリーンズ)が藤田平(2064安打)を凌駕。埼玉西武では、栗山巧が1807本目のヒットを打ち、石毛宏典の記録を上書きした。ちなみに、嶋の通算安打は930本だ。2007年から昨シーズンまで、東北楽天でプレーしてきた。
ただ、ここからしばらくは、どの球団も1位の入れ替わりは起きそうにない。
現在、4球団には、それぞれの球団記録との差が1000本以下の選手が在籍している。埼玉西武は中村剛也(1467安打=358本差)、東北楽天は藤田一也(700安打=400本差)ら、東京ヤクルトは青木宣親(1591安打=582本差)、読売ジャイアンツは坂本勇人(1884安打=902本差)がそうだ。
埼玉西武と東北楽天では、1位の栗山と銀次が、これからも本数を増やしていく。しかも、東北楽天の場合、銀次と藤田の差は年々広がっている。2015年のシーズン終了時点で106本差だったのが、そこから、114本差→201本差→271本差→400本差と推移している。
青木は若松勉(2173安打)との差を縮めているが、メジャーリーグから日本プロ野球へ復帰後の2シーズンに記録した、平均153.5安打のペースを維持しても――現時点で38歳の年齢を考えると難しそうだが――若松を抜くのは2023年となる。2020年のシーズンが短縮されれば、さらに遅くなりかねない。なお、青木は2012~17年に、メジャーリーグで774安打を記録した。
坂本はまだ31歳ながら、あと5年、昨シーズンの173安打と同じ本数のヒットを打ち続けても、王貞治(2786本)に及ばない。今後5年とも、自己最多の178安打(2009年)と同じ本数でも、通算安打は2774本だ。王よりも12本少ない。