「固有の領土」で馬鹿になる日本人
フーテン老人世直し録(71)
卯月某日
平成27年度からの小学校の教科書は「竹島と尖閣諸島は日本の固有の領土」と明記される事になった。「固有の領土」とは何か。「もとより領土である事が当たり前」という意味だろうか。それが今や竹島は韓国に実効支配され、尖閣は日本政府が国有化を宣言した事で中国と紛争になっていると教えるつもりなのか。
安倍総理は「固有の領土である事を子供の頃から教えないと、外国人と論争になった時に負けてしまう」と言ったが、本当にそうだろうか。「固有の領土」という言い方には、論理的根拠を示す必要もないというニュアンスがある。しかし根拠も持たずに論争すれば議論は平行線になるか、負けるのが関の山である。根拠もなく「俺のものだ」と言えば恥をかくのは言った方である。
断っておくがフーテンは竹島や尖閣が日本の領土でないと言っているのではない。ただ「固有の領土」という言い方に疑問がある。第二次世界大戦に敗れた日本は「無条件降伏」をした。「無条件降伏」とは文字通り「無条件」ある。日本はすべての権利を戦勝国の手に委ねた。領土ももちろん戦勝国の言うままである。
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