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「固有の領土」で馬鹿になる日本人

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(71)

卯月某日

平成27年度からの小学校の教科書は「竹島と尖閣諸島は日本の固有の領土」と明記される事になった。「固有の領土」とは何か。「もとより領土である事が当たり前」という意味だろうか。それが今や竹島は韓国に実効支配され、尖閣は日本政府が国有化を宣言した事で中国と紛争になっていると教えるつもりなのか。

安倍総理は「固有の領土である事を子供の頃から教えないと、外国人と論争になった時に負けてしまう」と言ったが、本当にそうだろうか。「固有の領土」という言い方には、論理的根拠を示す必要もないというニュアンスがある。しかし根拠も持たずに論争すれば議論は平行線になるか、負けるのが関の山である。根拠もなく「俺のものだ」と言えば恥をかくのは言った方である。

断っておくがフーテンは竹島や尖閣が日本の領土でないと言っているのではない。ただ「固有の領土」という言い方に疑問がある。第二次世界大戦に敗れた日本は「無条件降伏」をした。「無条件降伏」とは文字通り「無条件」ある。日本はすべての権利を戦勝国の手に委ねた。領土ももちろん戦勝国の言うままである。

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ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:11月24日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

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