プーチンの「核使用」発言を批判する愚かさ
フーテン老人世直し録(139)
弥生某日
ロシアのプーチン大統領が15日放送のテレビ番組で、昨年2月にウクライナの親ロ派政権が崩壊し、親欧米政権が政権を掌握した時、軍に核兵器使用の準備を指示していた事を明らかにした。
日本国内は「とんでもない発言をした」という報道であふれているが、フーテンはこの「とんでもない」と考える感覚に呆れている。全く軍事を理解しないただの「平和ボケ」の感覚だからである。そんな感覚では安倍政権が前のめりになっている集団的自衛権を論ずることすらできなくなる。冷戦後の世界の趨勢を見ればプーチン発言は何も不思議な発言ではない。
今回のウクライナ危機の出発点はソチ・オリンピックである。オリンピックの開催でロシア軍が動けない時期を狙ってウクライナで反政府暴動が起きた。そして暴動が起こる事を知っていたかのように欧米の首脳はみなオリンピックの開会式を欠席した。メディアは欠席の理由を「同性愛問題での価値観の違い」と報道したが、そんなことではない事がその後の経緯で明らかになる。
ソチ・オリンピックの最中にウクライナの親ロ派政権は崩壊するが、その時にアメリカは「オリンピックでテロが起きた時のアメリカ市民の救出」を口実に、ロシアの軍港がある黒海に2隻の軍艦を派遣した。ロシアは黒海沿岸に対艦ミサイルを配備していつでも攻撃できる態勢を取る。さらにアメリカの喉元キューバにロシア軍艦を派遣した。米ロは一触即発の状態にあった。
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