線状降水帯を含む大雨に厳戒、ダブル熱帯低気圧の動向は?
長崎県五島で線状降水帯が発生
3時間に100ミリ超の大雨発生確率が非常に高く計算されていた長崎県五島では、きょう14日(日)午前7時40分に、30分前予測をもとに線状降水帯が発生しました。その後も断続的に線状降水帯が解析されています。
線状降水帯の発生している五島では、きょう14日(日)午前9時までの3時間に、福江空港で167.0ミリ、福江で166.0ミリの記録的な大雨となっています。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているため、最大級の警戒が必要です。
今後も梅雨前線は活発、線状降水帯に厳戒
今後も梅雨前線の活動は活発で、九州北部では、きょう14日(日)夕方頃までは線状に連なる活発な雨雲が通過しやすく、引き続き、線状降水帯が発生する可能性があります(気象庁からの線状降水帯予測)。また上図のように、九州北部以外も西日本や東日本では所々で活発な雨雲が発生する予想で、線状降水帯が発生しなくとも梅雨末期の大雨に警戒が必要です。
ダブル熱帯低気圧の動向は?
日本付近では梅雨末期の大雨となっていますが、日本のはるか南海上も久しぶりに騒がしくなってきています。タイトル画像にある通り、フィリピンの周辺で対流活動が活発となっていて、東西に積乱雲の塊が帯状に発生しています。
この中で、きのう13日(土)午後3時に南シナ海で熱帯低気圧が発生しました。さらに上図の予想天気図にある通り、あす15日(月)午後9時までにフィリピンの東海上で新たな熱帯低気圧が発生し、ダブル熱帯低気圧の状態となりそうです。
今後の動向ですが、先に発生している南シナ海の熱帯低気圧は北西方向へ進み、あす15日(月)午後9時にはトンキン湾付近に進んで、その後、ベトナムか中国南部に上陸する見込みです。台風に発達する可能性もありますが、もし台風になったとしてもすぐに上陸し、弱まる計算が多数を占めているため、日本付近に影響することはないと思われます。
一方、フィリピンの東に発生する熱帯低気圧は、フィリピン付近に進むかフィリピンの東を北上するかという予想が多くなっていて、今のところ台風にまで発達する計算はあまり多くないのですが、海水温は30度以上あるため、経験的には台風へ発達する可能性も十分に考えられる状態です。なお来週末にかけて、沖縄の南へ北上するような計算も少数ながらみられるため、今後の動きに注意してください。
もしダブル熱帯低気圧のうち、どちらかが台風となれば台風3号の発生となりますが(両方なら台風4号の発生も)、台風3号の発生する日時はかなり遅くなっていて、すぐに発生したとしても、統計のある1951年以降の74年間で、すでに8番目に遅い記録となります。(関連記事)