”台風3号”は遅いベストテン入り、ダブル高気圧が勢力拡大で、来週は梅雨末期から梅雨明けへ?
ダブル高気圧が勢力拡大で、週明けには梅雨前線が不明瞭化へ
梅雨前線の活動が活発となっていて、まさに梅雨末期の豪雨型となっています。あちらこちらで雨雲が発達していて、今後も日本海側を中心に、災害級の大雨となるおそれがあり、警戒が必要です。(関連記事)
7月早々から梅雨明けともいえる夏空と猛暑をもたらした太平洋高気圧は本州付近から少し勢力を弱めていて、上図のように週末の13日(土)頃には、最も南の海上へ後退する予想です。このため、本州付近では梅雨空が続くでしょう。
ところが最新の予想で、週明けには一気に勢力が盛り返し、15日(月)夜には本州付近をすっぽりと覆う予想です。このため週明けには本州付近の梅雨前線は次第に不明瞭となり、次第に消滅していくものと思われます。ただ太平洋高気圧よりも上層に張り出すチベット高気圧の勢力はまだ強くはないため、徐々に夏空が広がることになりそうです。
来週は正真正銘、梅雨明けのステージか?
10日間予報をみると、週明け15日(月)頃まではまだ梅雨前線の位相が居座り、各地で雨が降る予報ですが、16日(火)は曇りで、17日(水)以降に、各地で晴れ間が広がる予想となっています。
ただ先述した通り、上空高い所まで一気にダブル高気圧にスッポリと覆われる形ではないため、いまのところ、来週後半にかけて、じわっと夏空が広がり、各地で梅雨明け発表へという流れになるかもしれません。まだダブル高気圧の勢力予想には不確実性がある段階です。
熱帯擾乱は発生せず?
タイトル画像をみると、日本の南の広大な晴天域が太平洋高気圧で、その北側の本州付近には梅雨前線の雨雲が横たわり、その一方で、太平洋高気圧の南側のフィリピンの東や南シナ海には雲頂高度の高い積乱雲の塊が発生しています。
これら積乱雲の塊が回転センスをもってくれば、熱帯擾乱(低圧部や熱帯低気圧)が発生する可能性もありますが、あす11日(木)午前9時の予想天気図をみると、特にそのような予想にはなっていません。ただ諸外国を含む多くの計算の一部には、これらの雲の塊付近で、今後熱帯擾乱を発生させる計算もあるため、注目です。
台風3号の発生は、すでに遅い方からベストテン入り
ことしはエルニーニョ現象が発生していたこともあり、平均すれば3月頃に発生する台風1号の発生が5月26日午前9時までずれ込み、統計のある1951年からの74年間では、7番目に遅い台風1号の発生となりました。ところが台風1号の発生後、間もなく、5月31日15時に台風2号が発生し、相次いで発生したために、台風2号の発生は、74年間で20番目に遅い発生となりました。(関連記事)
この台風2号が消滅したあと、今現在、台風3号は発生していません。台風1号は7番目に遅く発生し、台風2号は20番目に遅い発生にまで戻りましたが、再び台風3号の発生は遅くなってきています。
上図に示したのは、台風3号の遅い方からの発生記録です。きょうは7月10日(水)ですから、すでに10以内の遅い発生は確定している状態です。このまま7月中旬まで新たな台風の発生がなければ、5位以内が確定する状況となっています。
来週にかけての日本付近の梅雨前線やダブル高気圧の動向は大いに注目ですが、この台風3号の遅い発生というのも、来週にかけて、注目の気象現象となります。