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九州北部は大雨に厳戒を!100ミリ超確率が非常に高い

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
3時間に100ミリ以上の大雨となる確率(ウェザーマップ)

梅雨前線が活発化

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

上図はあす14日(日)午前9時の予想天気図です。引き続き、梅雨前線が本州付近に横たわっていて、典型的な梅雨空となるパターンが続きます。そしてこの天気図だけでは分からないのですが、様々な資料を解析すると、九州北部付近には、多大な水蒸気を伴う際立った暖かく湿った空気が流れ込み、しかも北側の上空には寒気を伴う気圧の谷が通過するため、雨雲が非常に発達しやすい条件となります。

これは過去に幾度となく、災害を伴うような大雨や集中豪雨がもたらされた危険な天気図ともいえるパターンです。

100ミリ超確率が非常に高く、6条件もそろい踏み

3時間に100ミリ超の確率と線状降水帯発生6条件(ウェザーマップ)
3時間に100ミリ超の確率と線状降水帯発生6条件(ウェザーマップ)

大雨を予想する一つの大きな指標には、3時間に100ミリ以上の大雨となる確率が用いられることが多いのですが、あす14日(日)午前7時の段階で、九州北部付近には東シナ海から50%以上の黒色の範囲が広がってきています。これは梅雨前線に伴う確率としては非常に高い確率といえます。(台風では時々ある)

さらに線状降水帯発生環境の6条件という指標があり、これは、水蒸気量、上昇流、雲頂高度、空気中の湿り具合などの指標のことですが、右図のように、あす14日(日)朝は、九州北部で紫色が広がっていて、この条件がそろい踏みとなる計算です。

これらの条件を重ね合わせると、線状降水帯が発生してもおかしくないようなかなり危険度の高い気象条件となることが想定されます。

あす14日(日)明け方から昼頃がピークか

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

コンピュータによる雨雲の予想をみると、あす14日(日)午前6時には九州北部に活発な雨雲が流れ込み、昼頃にかけて、降り方がピークとなるでしょう。非常に激しい雨や猛烈な雨を伴うおそれがあり、雨雲の発達具合や停滞具合によっては、1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が降ることも想定内だと思われます。

あす14日(日)昼頃にかけて、九州北部では、大雨災害の危険が急激に上昇するおそれがありますので、今後、気象庁から発表されるであろう気象情報に十分注意し、早めの大雨対策、避難行動を心がけた方が良いかと思われます。

また九州北部以外の西日本や関東などでも雷を伴った激しい雨が降り、大雨となるおそれがあり、警戒が必要です。

24時間の予想雨量は300ミリ以上の計算値も

24時間予想雨量(ウェザーマップ)
24時間予想雨量(ウェザーマップ)

コンピュータによる24時間の予想雨量は、佐賀県、長崎県などでは、局地的に200ミリから300ミリ以上というかなりの雨量が計算されています。この多くが数時間で降ってもおかしくない危険な状態となるおそれがあり、あす14日(日)昼頃にかけては、雨の降り方に厳重な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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