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理学療法士が働く場所 〜通所施設編〜

ぴぴ田舎の民間病院で働く理学療法士

田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。

みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。

今月のテーマずばり「理学療法士を知ろう」です。

理学療法士ということばは聞いたことあるけど、一体何をしている仕事なの?どんなところで働いているの?など、理学療法士に関する疑問を解決していきます。

理学療法士はどこにいるだろう

理学療法士という職業の人と出会ったことはありますか?

理学療法士が働いている場所は

病院やクリニックなどの医療機関

入所・通所型の施設

・福祉施設

・行政機関

・教育研究機関

・企業

・スポーツ事業

が挙げられます。

医療機関入所施設については先日解説してきました。

現代の高齢者がいきいきと過ごすために欠かせない施設でも理学療法士は働いています。

今日は施設の中でも送迎サービス付きの通所型施設について解説していきます。

通所型の施設

デイサービスやデイケアといった送迎車を近所で見かけたことはないでしょうか?

ご自宅で生活している高齢者をお迎えに行って施設へ足を運んでもらい、リハビリ・食事・入浴などを行って、夕方にはまたご自宅へお送りする、お昼間限定のサービスです。

施設にもよりますが、通所サービスに求められている内容は

・高齢者がひとりで家にいる時間を少なくする(ひとりでいるときの事故や急変が不安)

・自宅での入浴が難しくなったためお風呂に入れてほしい

・外出機会が減ってしまったので、家族以外とのコミュニケーションの機会を持ちたい

・専門職がいるので、リハビリや健康観察などを受けたい

などが挙げられます。

高齢者がひとりで家にいる時間を少なくする

家族みんなが日中仕事に出てしまい、おじいちゃんおばあちゃんがお留守番するという家族構成は、田舎であればあるほど多いように感じます(わたしの住んでいる地方でもかなり多いです)。

おじいちゃんおばあちゃんが元気に畑に行ったりゲートボールに行ったりしてくれているあいだは安心して仕事に出掛けていたでしょう。

ところが、年を重ねるうちにコンロの火をつけてしまったことを忘れてお鍋を焦がしてしまったり、よく転ぶようになってしまったりといった認知症の初期症状や体力の衰えがみられるようになると家族の状況はいっぺんに変わってしまいます。

そんなときに活用してほしいのが通所施設です。

施設では専門スタッフが見守りながら1日の生活を安全に楽しんでもらえる工夫をしています。

季節に合わせたレクリエーションや、利用者さん同士での交流もあり、お友達ができたという声もよく耳にしますよ。

自宅での入浴が難しくなったためお風呂に入れてほしい

自宅での生活での難易度ランキング(ぴぴ調べ)では、お風呂と玄関の上り框が転倒しやすく、一度できなくなってしまうと回復が難しくなってしまう箇所です。

中でもお風呂は、床が濡れていると滑りやすくなり、介護に関わるスタッフもかなり神経をつかっています。また、骨折や半身不随などの後遺症により、思うように体が動かせなくなると浴槽をまたぐ動作が難しくなります。手伝おうにも、服を着ていない状態だと掴んであげられる場所が少ないので、介助するのも難しいと思います。

そんなときに活用してほしいのが通所施設です。

通所施設のお風呂は家庭用とは違って、お風呂専用の椅子に腰掛けたまま湯船に浸かれるような機械浴での入浴ができたり、お身体の状態に合わせてストレッチャーで横になったまま湯船に浸かれる寝台浴の設備を持っているところもあります。

リハビリスタッフは、機能回復で家庭用のお風呂に入れないかな?という視点で治療プログラムを提供しますが、リハビリと並行して入浴のサービスも受けられるのは利点のひとつです。

オージー技研さんのチェアーインバス(機械浴)
オージー技研さんのチェアーインバス(機械浴)

オージー技研さんのジュストデビュー(寝台浴)
オージー技研さんのジュストデビュー(寝台浴)

お写真はオージー技研さんよりお借りしました。

外出機会が減ってしまったので、家族以外とのコミュニケーションの機会を持ちたい

高齢になると出かけるのが億劫という方が徐々に増えてきます。家の中に閉じこもってテレビを見たり横になって過ごす生活をしているうちに、体力が徐々に落ちてしまい、転倒しやすくなってしまいます。

また、会話をしない生活を続けることで脳も徐々に衰えてしまい、認知症の発症や進行のリスクも高まります。

そこで活用してほしいのが通所施設です。

まず、デイケアやデイサービスという通所型のサービスは送迎付きです。スタッフが玄関先まで迎えにきてくれるので車に乗り込んで施設までご案内します。乗用車の乗り降りが難しくなってくる方もいると思うので、通所先によっては車椅子のまま乗れるバンを用意している施設もありますよ。

通所先ではスタッフや他の利用者さんと交流したり、将棋や囲碁を楽しんでいる方もいます。歳の近い方がいたり出身地の近い方がいたりする、と懐かしい話に花を咲かせて、リハビリやお風呂のお誘いに「ちょっと待って」と断られてしまうなんてこともあります。

専門職がいるので、リハビリや健康観察などを受けたい

デイケアやデイサービスという通所型施設には看護師・介護福祉士・リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など)が在籍していることが多いです。(厳密には施設種別によって配置の決まりがあるので、配置の必要がなくてもその施設の売りポイントとして配置している場合もあります。)

看護師さんの健康チェックで普段と様子が違うな、と気づいた場合にはすぐにご家族とケアマネージャーへ連絡が入り、通院の段取りをとると、脳梗塞を起こしていたなんてこともあります。

リハビリでは家庭で難しくなってきた生活動作をできるように工夫したり、旅行に行きたい・孫と遊びたいなどの楽しみにしている目標に向かって治療プログラムを考えることもありますよ。

まとめ

10月のテーマ「理学療法士を知ろう」にちなんで、通所型施設で働く理学療法士について解説してきました。

自宅生活で引きこもりがちな高齢者の方に、いきいきと過ごしてもらうためにも、ぜひお近くのデイケアやデイサービスを利用してもらいたいです。

3日連続で医療機関・入所施設・通所施設について解説してきました。

次回は行政やスポーツ事業など、少しめずらしい場所で働く理学療法士について解説していきます。

少しでも理学療法士やリハビリテーションに興味を持っていただけたらうれしいです。

田舎の民間病院で働く理学療法士

地域の高齢者のリハビリや在宅復帰に関わり10年以上理学療法として勤務しています。リハビリ目線でのお役立ちTips、病気・怪我に関する情報を執筆していきます。田舎在住の二児のママです。

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