理学療法士が働く場所 〜入所施設編〜
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
今月のテーマずばり「理学療法士を知ろう」です。
理学療法士ということばは聞いたことあるけど、一体何をしている仕事なの?どんなところで働いているの?など、理学療法士に関する疑問を解決していきます。
近所の人やお友達の中に理学療法士という職業はいますか?
わたしは理学療法士の養成校を卒業したし、職場も病院で働いているため周りにたくさんいますが、その他の場所ではなかなか出会うことがありません。
理学療法士が働いている場所は
・入所・通所型の施設
・福祉施設
・行政機関
・教育研究機関
・企業
・スポーツ事業
が挙げられます。
昨日は医療機関で働く理学療法士について解説しました。
現代の高齢者がいきいきと過ごすために欠かせない施設でも理学療法士は働いています。
今日は施設の中でも入所機能を持つ施設について解説していきます。
入所・通所型の施設
高齢化が進む中、老人ホームや通所型のリハビリ施設はなくてはならない存在となっています。
そして、そこで働く理学療法士がいます。
利用されている高齢者は、生活する上でなにかしらの困りごとを抱えています。
どんな工夫をすれば、どんな福祉用具があれば、利用されている高齢者の方がご自身で身の回りのことができるだろうか。
そんなふうにご本人やご家族の方と一緒になって考え、生活の中に落とし込むお手伝いをするのも理学療法士の役割です。
施設には大きく分けて入所型と通所型の2種類があるため、今日は入所型の施設について解説していきます。
入所型の施設
24時間看護・介護スタッフが常駐している高齢者向け施設があります。
入所の理由はさまざまですが、自宅での生活が困難になった方や、自宅のリフォームなどで一時的に生活しづらい環境になってしまう方などを多く聞きます。
入所型施設にも種類があるため、理学療法士の配置は必須条件とは限らないのですが、理学療法士が配置されている施設もあります。
入所型施設で働く理学療法士の主な役割
入所型施設で働く理学療法士の主な役割としては、
施設内でのADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)を確認し、
①手伝いの必要な動き
②ひとりでもできるけどリスクの高い動き(転んでしまうそう、時間がかかる、違うことを始めてしまうなど)
③ひとりでも安全にできる動き
を評価します。
①②のお手伝いや見守りの必要な動作については、
・繰り返しのトレーニングや体力向上で補えるのであれば治療プログラムに導入する
・道具を使うことや環境を整えることで解決できそうであれば福祉用具をご案内する
・どうやっても介助が必要になる場合にはなるべくご本人の能力を最大限引き出す介助方法を施設スタッフへ周知する
というように、「施設に入所したから全部スタッフへお任せ」ではなく、自分でできる部分を最大限伸ばす工夫をすることが理学療法士の役割となります。
はじめて入所された方からは「全部手伝ってくれるんだと思ってた」とよく言われるます。
しかし理学療法士は必要な部分はお手伝いするけれど、できることは自分でやっていこう!というスタンスで利用者のみなさんと関わっています。
リフォームなどで一時的な入所を予定していて、1ヶ月後には自宅で生活を再開する予定なのに、施設から帰ってきたおばあちゃんがなにもできなくなっていたらご家族の方も困ってしまいますよね。
リハビリに楽しんで取り組んでもらえるように、もともと運動することが苦手な方でもいろんな動機付けをしてモチベーションを維持してもらえるように、工夫しながらリハビリの内容を考えています。
ご家族の方は、興味のあること・これなら何時間でも取り組める好きなことなど、利用者さんと関わる際のモチベーション維持のためのアシストをしていただけると本当に助かります。
まとめ
10月のテーマ「理学療法士を知ろう」にちなんで、入所型施設で働く理学療法士について解説してきました。
施設に入ったら全部お任せではないということにびっくりされた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
次回は通所型施設で働く理学療法士について解説していきます。
少しでも理学療法士やリハビリテーションに興味を持っていただけたらうれしいです。