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態度の心理学:性格ではなく態度を変えよう

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:「態度」が人生と人間関係を決める(写真:Cultura/イメージマート)

■人々の問題、社会の問題

世の中には悪い人がいます。悪い人が多くて、社会問題になることもあります。自分の周りの悪い人のことで悩んでいる人もいます。どうにかしたいと思いますが、「性格だから仕方がない」などと思うこともあります。

自分自身の弱さのせいで悩むこともあります。これも、自分はそういう性格だから仕方がないと思うこともあります。

悪い人がいて、弱い自分がいて、人間関係の問題や、社会の問題が起きます。

と、私たちは思うのですが、本当にそうでしょうか。

■性格ではなく「態度」

悪い人、弱い人。これって、性格が悪いとか、気が弱いということですね。確かに、そういうこともあるかもしれません。でも、こういう問題を性格と考えてしまうと、性格は簡単には変わらないでしょうか、問題も簡単には解決しないことになります。

けれども、本当は違うのです。性格を変える必要はないのです。

悪い人なのではなく、悪いことを考えたり、悪いことを実行する人です。性格が悪いからこそ、そんな考えや行動をとるのでしょうか。そういうこともあるかもしれませんし、そうでないかもしれません。

もしも性格が悪いとしても、性格が悪いだけなら、私とは直接関係がありません。私が困るのは、その人の暴言暴力やルール違反です。その人の人格を根本的に変えなくても、困った行動が減れば、とりあえずOKでしょう。

自分は気が弱いと悩んでいる人はたくさんいます。でも、絶対に気を強くする必要があるでしょうか。あなたが困っているのは、本当に自分の性格でしょうか。

たとえば、人前で話せないとか、嫌なことを断れないとか、そういう事に悩んでいるのではないでしょうか。

実は私たちの他人や自分に関する行動であり、考え方であり、それは「態度」なのです。

■態度とは

勉強や仕事をするとかしないとか、ゴミをきちんと捨てるとか捨てないとか、様々な問題があります。これらを解決するためには、人々の性格を変える必要はありません。「態度」を変えれば良いのです。そこで社会心理学では、態度は大きな研究テーマです。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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