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張本美和に逆転で優勝した北朝鮮の“伏兵”キム・グムヨンは何者?なぜ強いのか?#専門家のまとめ

金明昱スポーツライター
パリ五輪混合ダブルスで銀メダルのキム・グムヨン。ついにアジアの頂点に立った(写真:ロイター/アフロ)

卓球・アジア選手権の女子シングルス決勝で、日本の張本美和が北朝鮮のキム・グムヨンに1-3で敗れて優勝を逃した。キムはパリ五輪混合ダブルスの銀メダリストで北朝鮮のエース。卓球強国の中国以外で、日本の新たな脅威となりつつある北朝鮮だが、急に強くなったわけではない。なぜ北朝鮮の卓球は強いのか?

ココがポイント

日本勢として、中国選手を倒しての制覇なら2017年大会の平野美宇以来だったが、あと一歩届かなかった。
出典:デイリースポーツ 2024/10/13(日)

女子団体準々決勝(中略)第1試合で世界ランク1位の孫穎莎(中国)がキム・グムヨンに1―3で敗れる番狂わせが起きた。
出典:東スポWEB 2024/10/9(水)

パリ五輪の出場ペア中では最下位の第16シード。ITTFのランキングにも名前がなく、日本からすれば格下の相手だった
出典:Yahoo!ニュース エキスパート 金明昱 2024/7/28(日)

女子のキム・グムヨン選手は“異質ラバー”といって、バック面に回転が特殊にかかるラバーを貼っていました。
出典:Yahoo!ニュース エキスパート 金明昱 2024/8/2(金)

エキスパートの補足・見解

今回、卓球・アジア選手権の女子シングルスは、世界ランク1位の孫穎莎(中国)や日本のエースで同5位の早田ひな(日本生命)が棄権したため、16歳の張本美和の優勝への期待は大きかったが、北朝鮮の22歳キム・グムヨンの確かな実力が証明された大会となった。

今年のパリ五輪混合ダブルス1回戦でも、日本のメダル候補だった張本智和、早田ひなペアに4-1で圧勝したのも、北朝鮮のリ・ジョンシク、キム・グムヨンの2人だった。

現在、北朝鮮の監督は13年世界卓球(パリ)の混合ダブルスで金、15年世界卓球(蘇州)の混合ダブルスで銅のキム・ヒョクボン氏で、世界レベルを知る38歳の指導者。男女ともにハードなトレーニングでパワー、スピードを強化し、フルセットを戦っても落ちない体力に絶対的な自信を持っていると聞く。

ITTFのランキング上位に名前がないとはいえ、もはや北朝鮮は“ダークホース”でもはない。中国に次ぐ強豪国として、これからの国際大会で日本の大きな壁となって立ちはだかるのは間違いなさそうだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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