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「バイデンの認知機能の衰えはここ半年で顕著に。死後硬直状態に見えたことも」伝説的ジャーナリストが暴露

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 第一回大統領候補討論会で“大失態”を晒したことから、大統領選からの撤退を求める声があがっているバイデン氏。途中で言葉に詰まり、自分が何を言おうとしているかわからなくなっているようなバイデン氏の討論会での姿を目にした多くの米国民は、同氏に2期目の大統領が務まるのかと懸念を抱いている。

バイデン氏の認知能力の低下は、ここ6ヶ月、顕著に見られたと、CNNで暴露したバーンスタイン氏。

討論会で晒した“ホラー・ショー”は1年半で20回

 そんななか、米紙ワシントン・ポスト記者時代にウォーターゲート事件を取材して有名になった伝説的ジャーナリスト、カール・バーンスタイン氏が、米国時間7月1日、CNNテレビに出演し、バイデン氏の討論会での“大失態”に追い打ちをかける“暴露発言”をした。

 バイデン氏に近い人々は、バイデン氏が討論会で晒したような認知機能の衰えた姿を、数多く目の当たりにしていたというのだ。

「バイデン大統領に非常に近く、彼を愛し、彼を支持してきた人々、その中には彼のために多額の資金を集めた人々も含まれているのだが、彼らは先日の(討論会の)夜に私たちが見た大統領の姿はあの時一度きりのものだったわけはなく、大統領は、過去1年半の間に、私たちが目撃した“ホラー・ショー”と似たような姿を15回、20回見せたと断言している」

 バーンスタイン氏はさらにこう続けている。

「重要なのは、こうした発言の発信元が誰で、偶然こうした出来事を目撃した記者を含めて大統領の周囲でこうした出来事に気づいていた人が何人いるのかということだ。大統領を支持し、愛し、選挙運動をし、大統領に頻繁に会っていた人々は、特にここ6ヶ月の間で、大統領の認知機能や身体機能の衰えが顕著になったと話している」

まるで死後硬直しているように見えたことも

 バーンスタイン氏はまた、複数の関係者が、元ホワイトハウス首席補佐官で長年バイデン氏の側近を務めてきたロン・クレイン氏に、バイデン氏の健康と認知状態について懸念を伝えていたと話している。

「討論会の準備は、長年、バイデン大統領と一緒に仕事をしてきたロン・クレイン氏が監督した。私が話した人々は皆、昨年、クレイン氏を訪れて(バイデン氏に関して)問題があると言っていた。先日の(討論会の)夜に我々が見たような問題があると。大統領が自分が何を言おうとしているのかわからなくなり、再び考えをまとめることができない場面が数多くあったと。ある資金集めのイベントでは、その場にいた人々が、演壇に立った大統領はまるで死後硬直しているように見えたと話していた。大統領は身体がとても硬くなってしまって、イベントの後半をこなすためには椅子を持ってこなければならなかったということだ。人々は、大統領は素晴らしいが、わけがわからない瞬間を見せることがあって、そのことを懸念している。しかし、そんな懸念を持ち出す人々は(バイデン陣営から)反発を受けている」

国家安全保障の会議では冴えた姿に

 もっとも、バーンスタイン氏はバイデン氏の外交手腕は評価しており、こうも言及している。

「バイデン氏は国家安全保障の会議では非常に冴えた姿を見せていたと、この2年間、耳にしてきた。彼は、ウクライナやガザの状況について、非常に詳細な軍事報告がなされている特別な報告書を持っている。彼は事実を完全に把握しており、非常に冴えている」

 ブリンケン米国務長官も、1日、バイデン氏について「民主主義国の多くが彼の指導力を目の当たりにした」と同氏の外交面での実績を強調して、討論会での失態が批判されている同氏を擁護している。

 バーンスタイン氏は最後にこう述べている。

「我々は明らかに、1人の人物が持つ2つの側面に対処している」

 認知機能の衰えと冴えた外交手腕の2つを合わせ持っているとバーンスタイン氏が見るバイデン氏。後者を主張することで、認知機能の衰えが批判されているバイデン氏を民主党大統領候補に指名しようとしている民主党だが、果たして、それでトランプ氏に勝てるのか?

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在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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