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日本政府の「2030年ガソリン車禁止」は、結局どうなった?

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
事前報道のあった2030年代半ばに電動車(新車)100%の政府方針はどうなったか(写真:アフロ)

年の瀬が迫る12月25日、成長戦略会議第6回会合が首相官邸で開催され、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(PDFファイル)が打ち出した。ここで注目されたものの一つが、事前報道があった「2030年ガソリン車禁止」である。

元をたどると、このグリーン成長戦略は、菅義偉首相が2020年10月に、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言したことに端を発する。これを受けて、14の重要分野ごとに現状の課題と今後の取組みについて省庁間で調整を進めていた。

経済産業省は、この戦略を、「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策と位置付けている(経済産業省のニュースリリース)。

その過程で、12月3日に、2030年代半ばにガソリン車禁止を政府が打ち出すとの報道がなされた。

両者の報道がともに触れていたのは、12月10日に開催のモビリティの構造変化と2030年以降に向けた自動車政策の方向性に関する検討会の第3回会合で、これが議論の俎上に載ることだった。

モビリティの構造変化と2030年以降に向けた自動車政策の方向性に関する検討会は、経済産業省製造産業局自動車課の有識者会議で、2020年3月に設置された。同検討会は、「2050年カーボンニュートラル」宣言よりも前から議論を始めており、2030年頃までのCASE(コネクティッド・自動化・サービス化・電動化)をはじめとした構造変化を踏まえ、①自動車産業の生き残りをかけた課題と産業政策の方向性、②モビリティ社会の変革の方向性について議論することを目的とした。

同検討会の第3回会合は、予定通り12月10日に開催され、2030年代半ばにガソリン車禁止にまつわる話は、

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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