Yahoo!ニュース

石破内閣が発足直後に早速直面する税財政の課題。時は待ってくれない岸田内閣からの宿題

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
9月27日に自民党総裁選挙で選出された石破茂氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

9月27日に行われた自民党総裁選挙で、石破茂氏が第28代自民党総裁に選出された。これを受けて、10月1日に召集される臨時国会で行われる首班指名選挙で、石破茂氏が内閣総理大臣に指名され、石破内閣が発足する見通しである。

石破新総裁は、総裁選出後の記者会見で、

全国民の代表者である国会議員で構成される野党の方々とも論戦を交わした上で判断をいただきたいが、なるべく早く審判を仰がなければならない。その2つを合わせて適切な時期を判断していきたい

出典:「自民 石破新総裁 衆院解散・総選挙なるべく早く審判を」(NHK)

と述べたという。

そうなると、拙稿「自民党総裁選挙の候補者が『早期解散』を支持しないワケ。そこにある『麻薬』とは」で言及した、補正予算編成という「麻薬」には捉われず、補正予算編成を行わないまま衆議院の解散・総選挙を行う見通しになったといえそうだ。

とはいえ、岸田文雄内閣の下で2024年末までに決めることとしている税財政に関する案件に、発足直後の石破内閣として無回答のままというわけにはいかないだろう。衆議院の解散・総選挙を行うならば、なおさら、選挙後にどうするかを前もって有権者に方針を示しておかないと、選挙で信を問うたことにはならない。

では、発足直後の石破内閣として無回答のままにはいかない税財政の案件とは何か。それは、岸田内閣の下で宿題となっていた

この記事は有料です。
慶大教授・土居ゼミ「税・社会保障の今さら聞けない基礎知識」のバックナンバーをお申し込みください。

慶大教授・土居ゼミ「税・社会保障の今さら聞けない基礎知識」のバックナンバー 2024年9月

税込550(記事2本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

土居丈朗の最近の記事