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【消えた駅舎2023②】令和5(2023)年4月~6月に消えた駅舎

清水要鉄道ライター
川岸駅

この記事では前回に引き続き、今年の4月から6月の間に消えた駅舎を振り返っていく。5月には長野県で明治と大正の木造駅舎がそれぞれ役目を終えたが、一転して6月に消えた駅舎はなかった。

東海道本線・山手線 品川駅(東京都港区)
東海道本線・山手線 品川駅(東京都港区)

4月1日からは東京都の品川駅高輪口駅舎の解体が始まった。高輪口駅舎は昭和28(1953)年4月16日竣工で、築70年と大都会のターミナル駅舎としては古いものだった。元は地平に改札口のある造りだったが、平成10(1998)年11月1日の橋上駅舎化で改札口が自由通路上に移転している。増改築を重ねながら使われてきたが、隣接する京浜急行の線路を高架から地平に移す工事に伴って役目を終えることとなった。

しなの鉄道線 大屋駅(長野県上田市)
しなの鉄道線 大屋駅(長野県上田市)

5月12日には長野県の大屋駅の駅舎が建て替え工事のため、閉鎖された。明治29(1896)年1月20日開業時以来127年に渡って使われてきた木造駅舎で、日本初の請願駅という歴史を持つ。石坂浩二主演の金田一耕助シリーズの映画『犬神家の一族』に那須駅として登場したこともあった。私鉄としては初の取り組みとなる郵便局併設の新駅舎11月末時点で外観は完成していたが、まだ供用開始されていない。

日本初の請願駅!まもなく役目を終える築127年の木造駅舎 しなの鉄道線 大屋駅(長野県上田市)

中央本線辰野支線 川岸駅(長野県岡谷市)
中央本線辰野支線 川岸駅(長野県岡谷市)

同じ長野県にある川岸駅も時を同じくして役目を終えた。こちらは大正12(1923)年10月28日開業時のもので、今年は開業百周年の節目の年にあたる。地元住民の手で美しく保たれ、状態は良かったものの、建て替え工事のため5月14日にお別れセレモニーを行い、5月15日より閉鎖された。長野県産の木材と現駅舎の部材の一部を使用した新駅舎は10月29日より使用開始。屋根の色などは旧駅舎のものを継承している。

100周年の節目に建て替えられる木造駅舎 中央本線辰野支線 川岸駅(長野県岡谷市)

【消えた駅舎2023①】令和5(2023)年1月~3月に消えた駅舎

【消えた駅舎2023③】令和5(2023)年7月~9月に消えた駅舎

【消えた駅舎2023④】令和5(2023)年10月~12月に消えた駅舎

鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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