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100周年の節目に建て替えられる木造駅舎 中央本線辰野支線 川岸駅(長野県岡谷市)

清水要鉄道ライター

日本屈指の大幹線の一つ、中央本線には岡谷~塩尻間で別ルートを取る辰野支線がある。鉄道誘致に尽力した伊藤大八の名を取って「大八廻り」と呼ばれるこの支線にある途中駅の一つが川岸駅だ。

川岸駅
川岸駅

川岸駅は大正12(1923)年10月28日開業。今年の10月28日で開業百周年を迎える。駅舎は開業時に建てられたものだ。廻廊付きの木造駅舎で、大正時代の駅舎の標準的なスタイルをしている。

川岸駅 駅舎内
川岸駅 駅舎内

駅舎内は地元住民によって清掃され、綺麗に保たれている。大切に使われているためか、築百年とは思えないくらい状態がよい。

川岸駅 駅舎(ホーム側)
川岸駅 駅舎(ホーム側)

いつまででも残ってほしくなるような雰囲気の良い駅舎だが、建て替えによりまもなく姿を消す。長野県産の木材と現駅舎の部材の一部を使用した新駅舎は5月に着工され、10月完成予定だ。屋根の色やデザインに長年親しまれてきた現駅舎のイメージを継承し、歴史を未来に引き継ぐ駅舎となると発表されている。

中央本線「川岸駅」の建替えを行います(JR東日本の公式プレス)

川岸駅遠景
川岸駅遠景

建て替えに伴い役目を終える駅舎のお別れセレモニーは5月14日(日)に開かれる予定だ。解体工事はおそらくその後に始まるのだろう。100年に渡って親しまれてきた木造駅舎を見られるのもあとわずかだ。バトンを引き継ぐ新駅舎が百年先まで親しまれるような存在となることに期待したい。

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鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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