大船渡線のキハ100 車体の長い兄弟形式キハ110へ置き換えで引退へ
12月13日、JR東日本盛岡支社は令和7(2025)年3月15日に実施するダイヤ改正の内容を発表した。大船渡線では一往復の減便と、運用車両の変更が予定されている。
現在、大船渡線で主力として活躍しているのはキハ100系だが、1月中旬よりキハ110系への置き換えを行い、3月ダイヤ改正より全列車をキハ110系で運行する。
キハ100系は16m級の車体を持つ気動車で、20m級が中心のJRにあっては車体が短い車両である。同じデザインながら車体が20m級のキハ110系もあり、大船渡線の車両はこちらに置き換えられる。同時期に製造された車両だけあって車齢は変わらないものの、JRとしてはやはり車体が短い異端車を率先して置き換えたいのであろう。
大船渡線で運用されているのは、キハ100系の中でも最初に製造されたキハ100形0番台で、車体の外側に押し出されて開くプラグドアを採用している。プラグドアは、車内を広く取れる、車体を軽量化できるなどのメリットがある一方で、一般的な引き戸と比べると、開閉に時間がかかる上に破損や故障のリスクが高いというデメリットがあり、キハ100系およびキハ110系でも後の方に製造された車両では引き戸が採用されている。
大船渡線・北上線用として盛岡車両センター一ノ関派出所に配置されているキハ100形0番台は、1~8、31~37、42~46の20両で、いずれも平成3(1991)年に新潟鐵工所および富士重工業で製造されたものだ。このうち1~4は試作車で、1と3は観光列車「POKÉMON with YOU トレイン」用に改造されている。2は今年9月、北上線開業百周年を記念してデビュー当時のブラックフェイスが復刻された。
観光列車用以外の18両は大船渡線および北上線で、1両から3両編成で運用される。運用は共通で、特にどの車両が大船渡線専用で北上線専用といったことはないようだ。北上線用に復刻されたキハ100‐2も時折大船渡線で運用されているようである。
北上線の運用に関しては今のところ置き換えは発表されていないが、大船渡線と共通運用だったのを北上線分だけキハ100系を残すというのも非効率なので、こちらもそう遠くないうちに置き換えとなるのではなかろうか。
一ノ関のキハ100のうち、39・40・41の3両は同僚よりも一足早く運用を離れ、ひたちなか海浜鉄道の那珂湊駅へと陸送されている。ひたちなか海浜鉄道は既存車両の置き換えおよび観光列車用としてこの3両を譲受しており、今後の活躍が期待される。
キハ100系の譲渡先としては他に、中古車両5両の導入を計画している山形鉄道が考えられるが、ひたちなか海浜鉄道は令和12(2030)年の開業を目指して延伸工事を進めており、少し早いけれども出物があるうちにと、キハ100系を追加で譲り受けるというのも考えられないことではない。
釜石線の16両のキハ100系と合わせ、その第二の人生が気になるところだ。
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