ビューラーはNLCS第3戦がドジャース最後の登板になる可能性あり
ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・メッツは、10月16日(日本時間17日)に、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第3戦を行う。ここまでの2試合は、1勝1敗だ。先発マウンドには、ウォーカー・ビューラー(ドジャース)とルイス・セベリーノ(メッツ)が上がる。
2人とも、今オフにFAとなる。シリーズが第7戦まであれば、中4日で再び登板するだろうが、第5戦か第6戦で終わり、チームは敗退ということもあり得る。
もちろん、FA市場に出ても、再契約はできる。あるいは、他球団へ移った後、数年後に戻ってくることもなくはない。例えば、ビューラーのチームメイト、キーケー・ヘルナンデスがそうだ。メジャーリーグ1年目にヒューストン・アストロズとマイアミ・マーリンズでプレーした後、ドジャース(2015~20年)→ボストン・レッドソックス(2021~23年)→ドジャース(2023年~)と動いている。昨オフは、FAとなった後、ドジャースと再契約を交わした。
だが、ドジャースがリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを1勝4敗か2勝4敗で終えた場合、ビューラーがドジャースのユニフォームを着て投げるのは、第3戦が最後になるかもしれない。
セベリーノについても同じことが言えるが、セベリーノがメッツで過ごした期間は長くない。プロ入りから昨シーズンまでは、ニューヨーク・ヤンキースにいた。FAになった昨オフ、1年1300万ドルの契約でメッツに入団した。
ビューラーは、2015年のドラフトで、ドジャースから全体24位指名を受けた。入団以来、一度も移籍していない。2017年のシーズン終盤にメジャーデビューし、2019年は182.1イニングで防御率3.26、2021年は207.2イニングで防御率2.47を記録した。今シーズンは75.1イニングで防御率5.38ながら、トミー・ジョン手術から復帰の1年目だったことが大きな理由だと思われる。シーズン中盤には、腰も痛めた。
今シーズンの年俸は、802万5000ドルだ。2021年の夏にFOXスポーツのペドロ・モーラが書いた記事によると、ドジャースは2020年のオフに延長契約を交わそうとしたが、ビューラーが断ったという。
今オフ、ドジャースが再契約に動くかどうかはわからないが、少なくとも、クオリファイング・オファー(QO)を申し出ることはないだろう。QOは、FAになった選手に対し、それまで在籍していた球団が提示できる1年契約だ。QOを受け入れなかった選手が他球団と契約を交わした場合、提示していた球団はドラフト指名権を得る。今オフの金額は、年俸2105万ドル。ドジャースがQOを申し出るのは、テオスカー・ヘルナンデスだけだろう。ちなみに、シーズン途中に移籍したジャック・フレアティは、QOの対象外だ。
一方、ビューラーを手に入れようとする球団は、少なくないと思われる。エース級の資質を備えていることは、過去の実績が示している。けれども、今シーズンが芳しくなかっただけに、それほどの高額にはならないはずだ。ドジャースやメッツと違い、資金が豊富ではない球団も、契約に乗り出すことができる。
昨オフのセベリーノやフレアティと同じように、ビューラーが1年契約を受け入れる可能性もある。昨オフ、フレアティは、デトロイト・タイガースと1年1400万ドルの契約を交わした。そこでかつての姿を取り戻し、次のオフに再びFAとなり、大型契約を得る、というシナリオだ。ビューラーがそうするのであれば、ドジャースよりもローテーションに空きがある球団のほうが適している。
ドジャースのローテーションについては、こちらで書いた。
◆「カーショウの現役続行でドジャースは来年のローテーション5枠目まで確定!? グラスナウ、大谷、山本…」
今シーズン、セベリーノは182.0イニングで防御率3.91、フレアティは162.0イニングで防御率3.17を記録した。150イニング以上を投げたのは、セベリーノが6年ぶり、フレアティは5年ぶりだ。セベリーノの防御率は少し高いものの、2022年の89.1イニングで防御率6.65と比べれば、格段に低い。
2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は、セベリーノが31歳、フレアティが29歳、ビューラーは30歳だ。