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9月5日に小惑星が地球に突入、1メートルの小型サイズのためフィリピン上空の大気圏で燃え尽きる

天体衝突のイメージ 出典:Wikipedia

9月5日の午前1時ごろ、直径1メートルほどの小惑星が地球の大気圏へ突入し、燃え尽きました。本記事では、今回の小惑星の詳細をはじめ、過去の隕石衝突についても解説していきます。

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■落下前に発見できた小惑星はわずか9個のみ

小惑星の突入経路を推定した範囲 出典:ESA
小惑星の突入経路を推定した範囲 出典:ESA

地球突入への約8時間前、アリゾナ大学の研究チームは「約1メートルサイズの小惑星がまもなく地球に落下する」ことを事前に発見しました。実は、同サイズの小惑星は2週間に1個のペースで地球に落下していますが、サイズが小さすぎるため事前に発見できたのは、今回を含めて9個しかないのです。そのため、今回の発見は非常に稀なことであり、天体調査システムが高精度に機能していることを実証しています。

国際天文学連合により「2024 RW1」と命名された今回の天体は、時速6.27万kmという超高速で地球に接近しました。そして、9月5日の午前1時ごろ地球大気圏に突入。小惑星は地表に到達する前に、フィリピン上空で燃え尽きるという結果となりました。

約18メートルを超えるサイズの小惑星でなければ、地表に到達する前に燃え尽きてしまうと考えられています。そして、地球の近傍を回っている大きさが140m以上の小天体は、25,000個存在すると推定されているのです。それでは、過去に被害が出たことはないのでしょうか?

■過去に起きた天体衝突と、近傍を天体が通過した例

ツングースカ大爆発の跡地 出典:Wikipedia
ツングースカ大爆発の跡地 出典:Wikipedia

1908年には、ロシアのポドカメンナヤ・ツングースカ川上流の上空で「ツングースカ大爆発」が発生しました。直径50m~60mの小天体が大気中で爆発したために、強烈な振動が発生し、爆心地から半径約30~50kmにわたって森林が炎上し、東京都とほぼ同じ面積の約2,150平方kmの範囲の樹木がなぎ倒されたと記録されています。

約100年前に巨大彗星が地球に衝突「ツングースカ大爆発」は一体何が起きていたのか?

ロシアのチェリャビンスク州に隕石落下 出典:Wikipedia
ロシアのチェリャビンスク州に隕石落下 出典:Wikipedia

2013年、ロシアのチェリャビンスク州に隕石が落下しました。強い閃光を放ち、煙の尾を曳きながら落下する火球がチェリャビンスク州などで観測されています。後の調査により、隕石全体の直径は数m~15m、質量は10トン、落下速度は秒速15kmであったと見られています。更に、その隕石は120万年前に地球に接近した際に分裂した小惑星のかけらであったと推定されています。爆発の規模は500キロトン以上で、広島に落とされた原爆の30倍以上の威力と推定されています。近郊には、8mほどの穴が開いていたり、600kgの隕石が発見されています。

ロシアの隕石墜落(2013年)、原爆の30倍以上の恐るべき威力とは?

牛久大仏サイズの小惑星が地球近傍を通過するイメージ
牛久大仏サイズの小惑星が地球近傍を通過するイメージ

2024年6月29日(土)夜10時、小惑星「2024 MK」が地球から29万km付近を時速数千kmで通過しました。地球と月の距離は約38万kmですので、月よりも近い領域を通過したのです。この小惑星が発見されたのは、わずか2週間前だったとのことです。大きさの推定は直径120~260m、皆さんの大好きな牛久大仏は120メートルですので、まさに牛久大仏サイズの小惑星が地球のすぐ近くを通ったこととなります。このようなイベントが起こるのは非常にまれであり、数年に1度しかない頻度です。

牛久大仏サイズの小惑星が、2024年6月29日に地球へ最接近予定 月よりも近くを通過

小惑星アポフィスが地球に接近する様子 出典:NASA
小惑星アポフィスが地球に接近する様子 出典:NASA

2029年、小惑星アポフィスが地球に接近することをご存知ですか。実は、このアポフィスは将来にも2036年や、2068年など何度も地球に接近することが判明していますが、実は地球へ衝突する可能性があるとのことで世間を賑わせているのです。

アポフィスは直径340mの小惑星で、東京タワーに相当する高さです。国際宇宙ステーションの高度は400kmのため衝突する心配はありませんが、静止軌道にいる衛星は衝突の危険性があります。もしアポフィスが地球に衝突したとすると、広島の原爆の約3万倍のエネルギーである、500メガトンの爆弾と同等の威力との事です。

小惑星アポフィスが2029年に地球へ接近 13歳の少年が指摘した衝突の可能性は?

DART計画 出典:NASA
DART計画 出典:NASA

本当に小惑星が地球に落下すると思ったら、怖くて夜空も見上げられないですね。それでは、私達はただ怯えて待つしかできないのでしょうか。実は、NASAでは小惑星撃退技術の研究が進められています。ご興味がある方は、以下のリンクをご覧ください。

小惑星体当たり実験「DART」史上初の惑星防衛ミッション、NASA探査機が小惑星の軌道を曲げる

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