約100年前に巨大彗星が地球に衝突「ツングースカ大爆発」は一体何が起きていたのか?
近年、地球近傍を小惑星が横切るなどの事象が多数発生しており、地球への衝突の危険性が議論されています。皆さんの中には「オーバーに考えすぎじゃない?恐竜の時代じゃあるまいし」と思われる方もいらっしゃると思います。
本記事では、実際に過去に小天体が衝突したと推定されている「ツングースカ大爆発」を解説します。
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■2万5000個の小惑星が地球にとって脅威に!?
まず、地球の近傍を回っている大きさが140m以上の小天体で、地球に衝突し重大な災害を生じる可能性がある天体はなんと25,000個が存在すると推定されています。NASAは2016年に地球防衛調整局を新設し、小惑星の検出と脅威評価およびその対策の検討に当たっています。地球に接近する軌道を描く小惑星は「地球接近天体」と呼ばれていて、そのなかでも特に衝突の危険性が高いものは「潜在的に危険な小惑星」に分類されており、将来の衝突リスクを評価するために追跡観測が行われています。
■1908年に発生した「ツングースカ大爆発」
「ツングースカ大爆発」は、1908年にロシアのポドカメンナヤ・ツングースカ川上流の上空で起こった大爆発です。直径50m~60mの小天体が大気中で爆発したために、強烈な振動が発生し、爆心地から半径約30~50kmにわたって森林が炎上し、東京都とほぼ同じ面積の約2,150平方kmの範囲の樹木がなぎ倒されました。1,000km離れた家の窓ガラスも割れています。爆発によって生じたキノコ雲は数百キロ離れた場所からも目撃されました。イルクーツクでは衝撃による地震が観測されています。
爆発した物質が気化して巨大な夜光雲を形成したため、アジアからヨーロッパにかけての広い範囲で、爆発から数夜にわたって夜空が明るく輝き、ロンドンでは真夜中に人工灯火なしに新聞を読めるほどでした。
爆発地点では地球表面にはほとんど存在しない元素のイリジウムが検出されています。爆発の衝撃波と斜めに高速移動した衝撃波とが合成された衝撃波によって、爆発の跡は羽を広げた蝶のような形をしていたとのことです。そのため爆発跡の形はツングースカ・バタフライと呼ばれています。
また落下地点の周辺で、樹木や昆虫の生育に異常が見られています。具体的には、成長の停止、逆に異常な速度の成長、新種の出現などです。なんだかホラーですね。
そして、ツングースカ大爆発から約100年間、実際の原因は不明とされてきました。しかし、2013年のある出来事により原因が判明することとなります。その内容は次回の記事で解説いていきます、お楽しみに!
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