小惑星アポフィスが2029年に地球へ接近 13歳の少年が指摘した衝突の可能性は?
2029年、小惑星アポフィスが地球に接近することをご存知ですか。実は、このアポフィスは将来にも2036年や、2068年など何度も地球に接近することが判明していますが、実は地球へ衝突する可能性があるとのことで世間を賑わせているのです。
本記事では、小惑星アポフィスの地球接近について解説します。
■2029年のアポフィス大接近で何が起こる?
アポフィスは直径340mの小惑星で、東京タワーに相当する高さです。そして、地球から約3万kmの距離を通過すると考えれられています。これは、月までの距離の10分の1であり、地球と月の間を通るほどの近さです。最接近時には肉眼で確認することもでき、天体望遠鏡で表面の様子が観測できると言われています。
国際宇宙ステーションの高度は400kmのため衝突する心配はありませんが、静止軌道にいる衛星は衝突の危険性があります。もしアポフィスが地球に衝突したとすると、広島の原爆の約3万倍のエネルギーである、500メガトンの爆弾と同等の威力との事です。
韓国はアポフィスの探査計画を発表しています。2029年に地球の近傍を通過するアポフィスに接近し、表面状態などを分析する計画が進められているとのことです。ちなみに名前のアポフィスは、古代エジプト神話の混乱と暗闇の神に由来しています。
■将来にアポフィスは地球に衝突する可能性がある?
2008年に13歳のドイツの少年は、「アポフィスが2029年に地球に接近した際に人工衛星と衝突した場合、2036年の再接近時に地球へ衝突する確率が上昇する。」という発表をしました。少年の計算によると、衝突確率は450分の1とのことで、ヨーロッパ宇宙機関はこの計算が正しいと認めたという報道がなされました。
しかし、2013年にアポフィスをハーシェル宇宙望遠鏡で詳細に観測したところ、アポフィスの質量は推定よりも75%大きいと推定されました。これにより、人工衛星に衝突した場合でも軌道に変化が起こる可能性が下がり、地球への衝突確率も100万分の1以下となったのです。これで、2036年にアポフィスが地球へ衝突する確率はほぼゼロとなりました。
皆さんは、もしアポフィスが地球に衝突すると判明したら、どのような行動をしますか?
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