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天王星に「海」が存在か、NASAは天王星の探査を計画中 磁場の傾きから海洋が広がっている可能性が示唆

天王星で観測された黒点 出典:NASA

巨大な氷惑星と考えられていた「天王星」しかし、その内部に海が広がっている可能性が示唆されています。本記事ではあまり知られていない天王星の素顔について紹介していきます。

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■巨大な氷天体と思われていたが、内部に海が広がっている?

天王星の内部構造 出典:FrancescoA
天王星の内部構造 出典:FrancescoA

地球は絶妙な太陽との距離に位置しており、水が液体で存在することができます。そして、生命は海で色々な元素がかき混ぜられて生命が生まれたと考えられており、水が液体でいられる領域を「ハビタブルゾーン」と呼んでいます。

一方、天王星は太陽から遠く離れているため、水が全て氷になってしまう領域であり、その境界線を「スノーライン」と呼んでいます。そして、天王星の大気はマイナス200度で、ほとんどが水素やヘリウム、メタンでできている極寒の地と考えられています。

しかし最新の研究では、天王星にも海が存在する可能性が示唆されたのです。NASAが1986年に打ち上げたボイジャー2号は、天王星の磁場が大きく傾いていることを発見したのです。シミュレーションの結果、このような現象は磁場形成に影響を与える水素を含んだ海洋が存在する可能性があるとのことです。そして、その暑さはなんと8000kmにも及びます。しかし、海洋と言っても地球のようなものとは異なり、6万倍の圧力を受けたガスと液体が混ざり合ったような流体のような状態であるとのことです。そのため、生命が存在できる可能性は極めて低いと言わざるを得ないでしょう。

■NASAは2030年代に探査を計画中?

天王星で観測された環 出典:NASA
天王星で観測された環 出典:NASA

一方、天王星の内部ではダイヤモンドの雨が降り注いでいるという別の仮説も存在しています。巨大な氷惑星である天王星の内部は、数千度の超高温の過酷な環境であり、氷は海を形成していると考えられています。そして、この海で水素と炭素がダイヤモンドに変化し、惑星の中心へと沈み込んでいくという説です。まだまだ謎が深い天王星ですが、人類はその謎を解き明かすことはできるのでしょうか。

その問いに答えるべく、NASAは2030年代に天王星を探査する宇宙機を打ち上げる計画を進めているとのことです。もし天王星の海で、強力な圧力に抗いながら魚が泳いでいたらロマンがありますね。

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