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イージス・システム搭載艦、いずも型護衛艦改修、次期戦闘機開発の費用はいくら? #専門家のまとめ

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
2隻が建造される予定のイージス・システム搭載艦のイメージ図(防衛省資料)

日本が防衛力の抜本的な強化を本格化させている。防衛省は8月末、来年度防衛予算の概算要求を過去最大の7兆7385億円とすることを決めた。今年度当初予算の6兆8219億円と比べて13.4%も増えた。防衛費の大幅増額の背景には、中朝露という核保有国の隣国3カ国からの軍事的脅威が増していることがある。とりわけ中国の著しい軍事拡張だ。日本の防衛はどこに向かうのか。国民の血税を費やす主要防衛事業の予算はどれほどまでに及んでいるのか。防衛予算概算要求の主な注目点を改めてまとめた。

▼イージス・アショアの代替となるイージス・システム搭載艦2隻の取得のため、関連経費を含めて約4900億円が計上された。  

▼いずも型護衛艦の「いずも」と「かが」にステルス戦闘機F35Bを搭載できるよう、軽空母化改修費423億円が計上された。

▼航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機開発の関連費用726億円が計上された。機体やエンジンの設計などが引き続き行われる。

言わずもがなではあるが、予算の源泉は国民の血税だ。特に防衛予算は国防という観点から大変重要な事業であるがゆえに、ケタ違いの多額の公金が使われる。年末の予算編成で正式に予算案が決まる予定だが、岸田文雄首相が防衛費増額の財源を示さないで衆院解散・総選挙に踏み切るとの観測も永田町では出ている。国の財政事情が厳しさを増す中、国民から十分な納得感を得られるよう、防衛予算の費用対効果や財源、そしてこの国の国防の在り方を国会などで真摯に真っ向から議論していただきたいものだ。

米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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