安倍総理の「ちゃぶ台返し」を「戦後以来の大改革」に転換すべし
フーテン老人世直し録(135)
如月某日
「政治とカネ」を巡る安倍総理の国会答弁を聞いていると、フーテンがかねがね主張してきた事と軌を一にするようにみえる。政治家の資金集めに疑惑が生じたとき、その現象面を泥縄式に規制して取り繕うのではなく、民主主義のコストを誰がどう負担するかを根本から議論しないと解決にならないとの主張である。
野党が「政治資金に国民の税金を投入する政党助成金制度が導入されたのは、企業団体献金禁止が前提だったはず」と企業団体から献金を受けていた閣僚の疑惑を追及すると、安倍総理は「民主主義のコストをどう負担するかという問題だ」と切り返し、企業団体献金を認める立場を表明して追及をかわした。
総理の発言は40年前の三木政権による政治資金規正法改正以来の積み重ねを否定するいわば「ちゃぶ台返し」である。実はフーテンも「クリーン三木」と呼ばれた総理の政治資金規正法改正以来、政治資金は闇に潜るようになり、悪化の一途を辿っていると批判してきた。「民主主義のコストをどうするか」という点で両者の問題意識は似ている。
しかし両者には決定的な違いがある。安倍総理には政治資金の問題に取り組む気などさらさらなく、ただ疑惑隠しのための口実に使っているに過ぎない。その口実に過ぎないものを「民主主義の問題」と大上段に振りかぶり偉そうに言われているところに問題がある。
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