小渕優子氏に遡って説明責任を果たさせる時
フーテン老人世直し録(134)
如月某日
政治資金問題を追及されていた西川公也農林水産大臣が辞任した。「法律に触れる事は全くないが」「いくら説明しても分からない人は分からない」から辞任したという。「口は災いのもと」と言うが、この開き直りがどうなるか、国会に波風が立ち始めた。
「口は災いのもと」は西川氏だけではない。安倍総理も西川大臣を追及する民主党の玉木雄一郎衆議院議員に対し、「日教組!」と野次を飛ばし、それが誤解に基づく野次である事が分かって訂正を求められた。安倍総理は訂正に応じたが謝罪には応じず、誤解した事を「遺憾である」と述べるに終始した。
民主党の後藤祐一衆議院議員は、安倍総理の謝罪に応じない姿勢が「戦後70年の総理談話」にも引き継がれるのではないかと批判したが、安倍総理は「遺憾である」だけを繰り返し、そのやりとりがテレビ中継される事はなかった。
NHKの国会中継が行われた19,20日の衆議院予算委員会では、西川大臣も安倍総理も終始強気の姿勢を見せていた。それがテレビ中継のない23日の委員会で安倍総理の訂正発言は行われ、またこの日の委員会で厳しく追及された西川大臣は、委員会終了直後に安倍総理に辞表を提出、直ちに後任に林芳正前農林水産大臣が決定された。
国民の見えるところでは強気の姿勢を見せ、事態が行き詰まれば、それは見えないところで、短時間のうちに処理してダメージを最小限に抑える。それが安倍政権の危機管理術であるようだ。それにしてもNHKの国会中継が何故23日に行われなかったのか、そのことにフーテンは大いに疑問を持つ。
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