採用してはいけない人を見抜く「とんでも面接」3選 謎解きゲームを協力プレイさせて面接?
「超売り手市場」が叫ばれ、企業が優れた人財を求めて競り合う時代だ。しかし、焦ってはならない。
履歴書の「第一印象」に騙され、企業に深刻なダメージをもたらす「採用してはいけない人」を見抜かないと、とんでもないことになる。
採用したとたん、組織の風紀を乱し、仕事の流れを阻害する人は実際に存在する。採用者がその危険人物を見分けるためにできることは何か? 今回は見逃してはいけない採用のポイント、そして見極める「とんでも面接」3選をご紹介する。
■「採用してはいけない人」がもたらす複数の問題
深刻な人財不足が原因で、超売り手市場となっている現在、人財の獲得に苦労している企業はとても多い。しかし、気を付けるべきだ。会社や社員に大きなダメージを与えてしまう「採用してはいけない人」がいるからだ。
実際に「採用してはいけない人」が入社してからというもの、組織の生産性が落ちた、同僚のモチベーションが低下したという事例は数多く存在する。ヒドイ場合は会社のブランドイメージまで傷つけてしまう例もあるほどだ。
面接などを通じて明らかに分かるケースもあるが、中には最初は好印象だったが、入社してみると実は「採用してはいけない人」だったというケースもある。
「受け入れる部署が正しく教育しないからだ」
「上司の躾(しつけ)の問題だ」
という声もあるが、ただでさえ人手不足の現場はそんな余裕はない。できれば採用プロセスにおいて見抜いておくべきだろう。
■求職者を見極める「とんでも面接」3選
ではどうしたら「採用してはいけない人」を求職者の中から見分けることができるのか?
型破りな面接をして成功した例を、3つ紹介していこう。
(1)協力謎解きゲームをプレイさせて面接する
(2)レンタルキッチンでクッキングさせて面接する
(3)車を運転させて面接する
1つ目は協力謎解きゲームを求職者にプレイしてもらう、というものだ。54歳の筆者には最初、この「協力謎解きゲーム」がどのようなものかわからなかったが、経験してみると、
「なるほど。ゲームでその人の人間性がわかるかも」
と感じた。
1対1の面接では面接慣れしている人も多い。だから「採用してはいけない人」だと見抜けないことも多いだろう。しかし「謎解きゲーム」を協力プレイさせることにより、周りと連携できるかが確認しやすい。
性格スキルのビッグファイブは、以下の通り。
(1)真面目さ
(2)開放性
(3)外向性
(4)協調性
(5)精神的安定性
この「協力謎解きゲーム」をプレイしてもらうことで、利己的ではなく協調的に行動できるかどうか? を見極められる。精神安定性や外向性も客観的に見つけやすいと言える。
2つ目の求職者にクッキングさせながら面接するというのも目的は似ている。たとえば「肉じゃが」「カレーライス」といった、それほど難しくない料理を3人チームを作って調理してもらう。
面接官も調理を手伝いながら会話し、求職者たちを観察する。
「協力謎解きゲーム」面接と異なり、役割分担が必要なので、誰が段取りをするのか、誰がリーダーシップを発揮できるかも評価できる。協調性はもちろん、真面目さや外向性もチェックできることだろう。
3つ目は、求職者に車の運転をさせながら面接するというものである。とてもユニークな面接方法だ。
人は車の中など気が抜けない状況では自分の本性を隠すことが難しい。そのため運転中にイライラしていたり余裕のない行為を見せたりしないか、評価するそうだ。
とりわけ精神的安定性をチェックしたい場合は、有効かもしれない。
いずれにしても、採用難の時代だからこそ、単なる面接を繰り返して手っ取り早く採用を決めるのはリスクが高い。「採用してはいけない人」を見抜けない可能性が高いからだ。
一所懸命に働いている人たちに、よけいな負荷を与えないためにも、採用プロセスにもっと工夫をしていこう。
これからはもっと「動的な面接」を取り入れる会社が多くなるはずだ。
<参考記事>