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ここ3年の合計奪三振ランキング。400奪三振以上は山本由伸と今永昇太以外に1人。佐々木朗希は9位

宇根夏樹ベースボール・ライター
佐々木朗希 MARCH 11, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 ここ3シーズンに奪った三振のトップ3は、580奪三振の山本由伸(オリックス・バファローズ)、433奪三振の戸郷翔征(読売ジャイアンツ)、416奪三振の今永昇太(横浜DeNAベイスターズ)だ。この3人の他に、400奪三振以上の投手はいない。

 彼らをはじめとする、300奪三振以上の20人は、以下のとおり。各シーズンの奪三振とその合計に、このスパンのイニング(投球回)、防御率、与四球率、奪三振率を記した。

筆者作成
筆者作成

 400奪三振以上の3人のうち、ポスティング・システムを利用し、来シーズンからメジャーリーグで投げる予定の2人は、このスパンの奪三振率が9.00を超えている。一方、戸郷の奪三振率は8.00に満たない。山本が9.48、今永が9.09、戸郷は7.90だ。

 ちなみに、今シーズンに限ると、今永の奪三振は山本より多く、奪三振率も高い。今永が174奪三振と奪三振率10.58、山本は169奪三振と奪三振率9.27を記録した。

 今シーズンの150奪三振以上は4人。あとの2人は、157奪三振の種市篤暉(千葉ロッテ・マリーンズ)と153奪三振の平良海馬(埼玉西武ライオンズ)だ。規定投球回以上で奪三振率9.00以上は3人。今永と山本に、9.18の平良がそうだ。種市の奪三振率は10.34だが、イニングは136.2だった。

 また、佐々木朗希(千葉ロッテ)がここ3シーズンに奪った376三振は9位ながら、奪三振率11.93は、山本と今永を凌ぐ。各シーズンの奪三振率は、9.66→12.04→13.35と推移している。この20人のなかで、昨シーズンも今シーズンも、奪三振率が前年より1.00以上高かったのは――2シーズン続けて1.00以上の上昇は――佐々木だけだ。

 もっとも、佐々木は、規定投球回に達したシーズンがない。ここまでの最多は、2021年の129.1イニング。その前後は、100イニング未満だ。従って、シーズン奪三振率の歴代最高は、千賀滉大(当時・福岡ソフトバンク・ホークス/現ニューヨーク・メッツ)が2019年に記録した11.33から変わっていない。4年前、千賀は、180.1イニングで227三振を奪った。

 なお、メジャーリーグ1年目の今シーズン、千賀は、166.1イニングを投げ――規定投球回は162イニング――202奪三振と奪三振率10.93を記録した。奪三振は14位タイ、奪三振率は150イニング以上の58人中6位。与四球率4.17はワースト5位(54位)だが、防御率2.98は5位に位置した。

 ナ・リーグで千賀より防御率の低い投手は、防御率2.25のブレイク・スネル(当時サンディエゴ・パドレス/現FA)だけ。スネルの奪三振率11.70は2位、与四球率4.95はワーストだった。

 ここ3シーズンに多くのホームランを打った選手については、こちらで書いた。

「ここ3年の合計本塁打ランキング。トップ2は126本の村上宗隆と110本の岡本和真。彼らに次ぐ3位は…」

 メジャーリーグにおける、ここ3シーズンの奪三振については、こちら。

「ここ3年に500奪三振以上の投手は21人。大谷翔平とダルビッシュ有が奪った三振の数は近く…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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