60年の歴史に幕。中洲で愛され続けたオリジナル。豚骨臭が香るクラシカルな豚骨ラーメンは永遠に。
中洲で愛され続けて60年
中洲の春吉橋を西中洲側へ渡ってすぐ。大きな看板が煌々と灯るお店は、「博多大砲ラーメン」。歴史ある佇まいの昔ながらのお店です。福岡一の繁華街のこのエリアで、〆のラーメンをいただくことは数多く。そして、開店前の夕方には、お店の近くには豚骨臭が漂う。この香りこそ博多ラーメンの醍醐味でもあり、この豚骨臭に誘われて訪れたことも数多く。中洲の地で愛され続けて60年という、老舗の中の老舗でもあります。
ちなみにこの博多大砲ラーメン、あの久留米の大砲ラーメンとは関連はないようです。この中州の地で生まれた、オリジナルの一杯なんですね。
(関連記事:創業昭和39年。中州で生まれたオリジナル。豚骨臭とクリアな味わいのクラシカルラーメン。)
令和6年5月31日に閉店
そんな老舗で愛された「博多大砲ラーメン」に、なんと閉店のニュースが。このお店の告知を見ると、建物の老朽化のようです。他県からのお客さんも多く、地元民も愛した名店。しかし、時の流れには逆らえない儚さも感じてしまいます。
これは閉店前に一杯、食べておかねばとお伺いしてみました。今まで食べたラーメンと共に、振り返ってみたいと思います。
まず、メニューはラーメン一本。そして替玉も大盛もありません。ラーメン一杯を純粋に楽しむスタイル。これもまたこだわりでしょうね。
ネギラーメン
ネギがたっぷりのネギラーメン。個人的には大好きな一杯です。博多の王道スタイルのラーメンは、あっさりとした仕上がりに、少し塩味の効いた良き味わい。
シャキシャキっとしたネギがスープとよく混ざり合い、スッキリとした味わいになります。これがネギラーメンの楽しみですね。
ラーメン
こちらはノーマルのラーメン。豚骨臭と共に豚骨の荒々しさも感じるスープ。しかし、あっさりとした口当たりで、キリっとくるカエシの味わいが豚骨の旨味を引き立てます。
後味もスッキリといただけて、シンプルで昔ながらの味わいが美味しい。こんな味わいが一番飽きがこないですね。そしてこの炙った感もあるチャーシューが、柔らかくも香ばしく美味しい。
細めのストレート麺は、博多のオーソドックススタイル。あっさりとした豚骨スープと相性良い組合せ。前述しましたが、久留米の大砲ラーメンとは全く関連性はないので、別物です。博多の伝統を守るクラシカルな豚骨ラーメンです。
このカウンターだけのスタイルも昔ながら。繁華街でふとタイムスリップしたかのような、この雰囲気も良き雰囲気でした。
60年という長い歴史に幕を下ろすのもあと僅か。「変わらず最高の一杯を提供いたしますので、お立ち寄りください」というメッセージもありますが、これまでもこれからも、美味しい一杯をありがとうございました。
中洲で愛された博多の純豚骨クラシカルラーメンは永遠に。です。
博多大砲ラーメン
住所:福岡県福岡市中央区春吉3丁目12−37
営業時間:18時00分~4時00分
定休日:日曜日
駐車場:近隣有料