法案を修正しても「違憲」が「合憲」に変わる事はない
フーテン老人世直し録(156)
水無月某日
地雷原に入り込んで危うさを感じ始めた安倍政権は、法案の「修正」という逃げ道を探している。しかし大半の憲法学者が「違憲」と指摘する法案を「修正」したところで「合憲」になる訳ではない。むしろここにきて修正協議を行えば、法案の醜悪さがさらに国民の目に焼き付けられることになるかもしれない。
安保法案に反対するデモが国会を取り囲んだ6月14日夜、安倍総理と橋下大阪市長が会談したというニュースが流れた。フーテンは「藁をもつかもうとする安倍総理」とブログに書いたが、翌日の記者会見で菅官房長官は「会談は橋下市長の側から申し込まれた」と、安倍政権が橋下氏にすがったとは思われないように装った。
しかしこれは素人でも見抜ける見え透いた嘘である。仮に橋下氏から「挨拶に伺いたい」と言われたとしても、それをメディアに取材させ「意味ありげに」報道させて利用しようとしたのは官邸である。ただの挨拶なら誰も知らない所で報道させないようにやれば良い。
その後の展開を見れば、安倍政権が橋下氏を利用して維新を修正協議に巻き込もうとする作戦も思惑通りには進んでいないように見える。橋下氏は安倍総理との会談後、「維新は民主党と一線を画すべき」という内容のツイッターを発信した。それは当たり前のことを当たり前に言っただけで、政局的には意味のないリップサービスである。安倍政権を有利にする話ではない。
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