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アーセナル、ユナイテッド、返り咲く古豪。「機能」と「機能不全」の相違点。

森田泰史スポーツライター
ゴールを喜ぶアーセナルの選手たち(写真:ロイター/アフロ)

うまく行っているチームと、そうではないチーム、その違いはどこにあるのだろうか。

機能しているチームと機能不全に陥っているチーム。端的に言えば、その差は僅かでしかない。しかし、その差が勝敗を分ける。それがフットボールだ。

■支配から解き放たれて

彼らは戻ってきたーー。今季、そのように評されているのは、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルだ。

近年、プレミアリーグはマンチェスター・シティとリヴァプールに「支配」されてきた。

調子を上げてきたユナイテッド
調子を上げてきたユナイテッド写真:ロイター/アフロ

「私は現役時代にスペインでリーグ戦4連覇を経験した。だが5度目、6度目の優勝というのは、それとは全く異なるものだった」とはペップ・グアルディオラ監督の弁である。

「我々はハングリーではなくなってしまったんだ。自分は素晴らしい選手だ、そんな勘違いをしてしまっていた。そして、レアル・マドリーが我々を上回った。我々の偉業は、歴史の本に載るかもしれない。しかし、もはや、過去のことだ」

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■再び常勝軍団に

勝ち続けることの難しさ。グアルディオラ監督が、その実感をしているうちに、「常勝軍団」に返り咲こうとしているのがユナイテッドだ。

ユナイテッドは2013年夏にサー・アレックス・ファーガソン監督が勇退して以降、プレミアリーグのタイトルから遠ざかってきた。だが今夏、エリック・テン・ハーグ監督が就任して、チームは少しずつ上向いた。

大きかったのはカゼミロの獲得だろう。この夏、移籍金7000万ユーロ(約84億円)で、マドリーからカゼミロを引き抜いた。

競り合うマネとカゼミロ
競り合うマネとカゼミロ写真:Maurizio Borsari/アフロ

ユナイテッドは【4−2−3−1】を基本システムとしている。その布陣でダブルボランチを組むのがクリスティアン・エリクセンとカゼミロだ。

カゼミロの加入でユナイテッドの失点数は減った。それだけではない。1試合平均デュエル数、インターセプト数で、カゼミロはプレミアリーグの中で上位にランクインしている。2020−21シーズン、上位30位以内にユナイテッドの選手がいなったことを考えれば、そのインパクトは計り知れない。

カゼミロの守備面のキャパシティーは恐るべきものだ。カウンターの芽を摘み、相手の攻撃を遅らせ、エース級の選手を潰す。タクティカル・ファールを厭わず、常にチームの「利益」を最優先させる。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『WSK』『サッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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