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メイウェザーの対戦相手は朝倉未来が大本命!来年2・28東京ドームで15年ぶりに格闘技イベント開催

近藤隆夫スポーツジャーナリスト
プロボクシング5階級制覇世界王者フロイド・メイウェザー(写真:ロイター/アフロ)

「前回は仕上がっていなかった」

「日本の皆さん、私は2021年に戻ってきます。そして、私と私たちのチームは東京ドームで大きなことを行います」

フロイド・メイウェザーがインスタグラムでそう発信した5日後の11月16日、横浜シェラトンホテルで記者会見が行われた。ここで、来年2月28日・東京ドーム『MEGA2021』の開催が発表されている。

東京ドームでの格闘技イベント(プロレスは除く)開催は実に15年ぶり。2006年12月の『K-1ワールドGP決勝戦』以来となる。

『MEGA2021』の主役は、もちろんメイウェザー。2018年の大晦日、『RIZIN.14』における那須川天心とのエキシビションマッチ以降、彼は試合は行っておらず2年2カ月ぶりのリングインとなる。

この日の発表は、大会の場所・日時、そしてメイウェザーが出場することにとどまった。メイウェザーの対戦相手、また、その他の出場選手に関しては未定。これからオファーをかけるとのことである。

米国にいるメイウェザーは、オンラインで会見に参加し次のように話した。

「どんな相手と闘うのか見当もつかないが、また東京に行けることを楽しみにしている。東京は素晴らしい街だ。食べ物も美味しく、人々は優しく礼儀正しい。いつも楽しい思いをさせてもらっている。そのお返しとして日本のファンに最高のエンタテインメントをお見せしたい。

たくさん練習をし、仕上がった状態で日本のファンが見守ってくれるリングに上がるつもりだ。前回(2018年の那須川天心戦)は、ほとんど練習もしていなかったしカラダもみっともなかった。でも今度は違うよ」

記者会見にオンラインで参加したメイウェザー。終始ご機嫌だったが報道陣からの質問は一切受けず(写真:SLAM JAM)
記者会見にオンラインで参加したメイウェザー。終始ご機嫌だったが報道陣からの質問は一切受けず(写真:SLAM JAM)

誰と闘いたいのか、また試合のルールについて、メイウェザーは一切触れなかった。

具体性の乏しいコメントに終始したのは、集まった報道陣からの質問を受けつけないスタイルで会見が行われたからでもある。会見の最後にモニター越しではあるが写真撮影の時間が設けられるはずだったが、それも一方的にキャンセル。

試合に関しての契約は締結しているとのことだが、早くも主催者側がメイウェザーに翻弄されている印象を受けた。

最有力候補は朝倉未来

さて、メイウェザーの対戦相手は誰になるのか?

主催である『MEGA2021製作委員会』を代表して壇上に座った徳弘浩平氏は、こう話した。

「相手はチャンピオンクラスの日本人選手を考えています。一番盛り上がるカードにしたい」

対戦相手について明言を避けたが、実はオファーを出す相手はすでに絞り込まれている。

相手が日本人現役プロボクサーになることは、まずあり得ない。なぜならば、JBC(日本ボクシングコミッション)が管轄するジムに所属する選手が、格闘技イベントに参加することは認められていないからだ。これを無視して出場すれば相応のペナルティを受けることになる。

ならば相手は、キックボクサーか総合格闘技選手に絞られる。また、60キロ台後半でのウェイト調整が可能で知名度の高さも求められよう。

ズバリ、最有力視されるのは、朝倉未来だ。

ある大会関係者は、こう話した。

「21日の試合の結果次第になりますが、その方向です。このマッチアップは盛り上がるでしょう」

朝倉未来は、11月21日に大阪城ホールで開催される『RIZIN.25』に参戦。メインエベントで初代RIZINフェザー級王座をかけて修斗王者の斎藤裕と対戦する。

この一戦で勝利しチャンピオンベルトを腰に巻けば、朝倉の実力は再認識され人気もさらに上昇する。

朝倉自身もメイウェザーと闘いたいと願っており、条件次第ではあるがオファーを受ける可能性は高い。彼が現在、主戦場としているRIZINも一度限りのイベントとなるであろう『MEGA2021』なら快く送り出すのではないか。

「ルールに関してはメイウェザー選手の対戦相手が決まった後、双方が納得するものにしたい」

そう徳弘氏は話していたが、ルールはボクシングを基調としたもの以外に考え難い。ここは、メイウェザーが譲らないだろう。

「キック1発で違約金5億円だ!」

一昨年、那須川天心と闘う前にそう言い放ったのだから、総合格闘技ルールなど飲むはずがない。

朝倉がボクシングシューズを履くことになるのではないか。

もちろん決定ではない。

だが、現時点で大会主催者がメイウェザーの対戦相手に朝倉未来を第1候補に考えていることは間違いない。

実現したら面白いことになりそうだ。未来は一筋縄ではいかない男だから──。

スポーツジャーナリスト

1967年1月26日生まれ、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から『週刊ゴング』誌の記者となり、その後『ゴング格闘技』編集長を務める。タイ、インドなどアジア諸国を放浪、米国生活を経てスポーツジャーナリストに。プロスポーツから学校体育の現場まで幅広く取材・執筆活動を展開、テレビ、ラジオのコメンテーターも務める。『グレイシー一族の真実』(文藝春秋)、『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)、『情熱のサイドスロー~小林繁物語~』(竹書房)、『柔道の父、体育の父  嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。仕事のご依頼、お問い合わせは、takao2869@gmail.comまで。

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