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朝倉海絶賛の「超新星」秋元強真がRIZIN2連勝─。どこまで強い?次の対戦相手は?

近藤隆夫スポーツジャーナリスト
鈴木博昭を完封しRIZIN2連勝を飾った直後の秋元強真(写真:RIZIN FF)

完勝も「納得いかない」

「あんまり良くなかったですね。試合前に『圧倒する』とか色々言った割には、口だけのような内容の試合になってしまいました。最初のテイクダウンで終わらせるつもりでしたが相手のガードが固く、それで攻め急いで力んでしまった。勝ちはしましたが内容に納得はしていません」

試合後に秋元強真(JTT)は、そう話した。

11月17日、愛知・ポートメッセなごや『RIZIN LANDMARK 10』で秋元は鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)と闘い判定完勝を収めた。それでもKO、一本で勝てなかったことが悔しかったのだろう。喜びを爆発させるのではなく、反省を口にしていた。

1ラウンドはテイクダウンを決めてパウンドで一方的に攻め込んだ。2ラウンドではスタンドの闘いに挑みスピードで圧倒。最終ラウンドも優位な状態を保ち続け試合終了のゴングを聴いた。内容的には圧倒していたのだが─。

KO(あるいは一本)勝ちこそ逃したが”怪物くん”を完封してRIZIN2連勝。秋元の実力はバンタム及びフェザー級のトップクラスのファイターに肉薄していると見ていいだろう。ここから順当にキャリアを積めば朝倉海(JTT)の予言通りに「RIZINの新エースになれる」逸材である。

1ラウンドから積極的に攻め鈴木博昭(下)を圧倒した秋元強真。フィニッシュこそできなかったが判定完勝で強さをアピールした(写真:RIZIN FF)
1ラウンドから積極的に攻め鈴木博昭(下)を圧倒した秋元強真。フィニッシュこそできなかったが判定完勝で強さをアピールした(写真:RIZIN FF)

ジャッジ3者ともに秋元を支持、レフェリーから手を上げられる秋元。完勝だったが、表情に笑みを浮かべることはなかった(写真:RIZIN FF)
ジャッジ3者ともに秋元を支持、レフェリーから手を上げられる秋元。完勝だったが、表情に笑みを浮かべることはなかった(写真:RIZIN FF)

「もっと強い相手と闘いたい」

そんな秋元の今後だが、大晦日『RIZIN.49』にも出場する可能性が高い。ただ、今回の試合で右手、右腕にダメージを残しており、回復が思わしくない場合は参戦を見送るかもしれない。

次戦は大晦日か、2025年最初の大会のいずれかになろうが、気になるのは対戦相手だ。

試合後に秋元は、こうも話していた。

「しっかり練習して、またすぐに闘いたい。(次戦は)もっと強い相手とやらしてもらえたら嬉しいです」

ならば、バンタム級上位ファイターとの対戦が面白い。候補を挙げてみよう。

日本人選手なら、

牛久絢太郎(ATT/元RIZINフェザー級王者)、太田忍(THE BLACKBELT JAPAN/リオ・デ・ジャネイロ五輪レスリング銀メダリスト)、佐藤将光(坂口道場一族/Fight Base 都立大)、元谷友貴(ATT)。

外国人なら、

マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)、セルジオ・ペティス(米国/元Bellatorバンタム級王者)。

いずれが相手でも勝負論があり、緊張感に包まれる闘いになる。

もしくは大晦日参戦の場合、試合間隔が短いことで体重をバンタム級リミットまで落とすことが難しいならフェザー級、もしくはキャッチウェイトでのファイトもあり得る。萩原京平(TRIBE TOKYO MMA)との対峙も考えられよう。

「超新星」と称される秋元が強豪ファイター相手に如何なる闘いで魅せてくれるのか? どこまで強いのか? 次戦の発表を楽しみに待ちたい。

スポーツジャーナリスト

1967年1月26日生まれ、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から『週刊ゴング』誌の記者となり、その後『ゴング格闘技』編集長を務める。タイ、インドなどアジア諸国を放浪、米国生活を経てスポーツジャーナリストに。プロスポーツから学校体育の現場まで幅広く取材・執筆活動を展開、テレビ、ラジオのコメンテーターも務める。『グレイシー一族の真実』(文藝春秋)、『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)、『情熱のサイドスロー~小林繁物語~』(竹書房)、『柔道の父、体育の父  嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。仕事のご依頼、お問い合わせは、takao2869@gmail.comまで。

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