マドリーの強さとベストな状態。「1vs2」対応と脱・ベリンガム依存症。
「我々は最高の状態だ。かつてないほどに」
直近の記者会見で、カルロ・アンチェロッティ監督は、繰り返し語った。レアル・マドリーの状態が、ベストであることをイタリア人指揮官は強調している。
■好調の要因を分析
マドリーは今季、リーガエスパニョーラで首位を快走している。チャンピオンズリーグでは、ラウンド16でライプツィヒを撃破した。
準々決勝でマンチェスター・シティとの対戦が決まっているマドリーだが、今季、良いペースで邁進していると言えるだろう。
では、そのマドリーが好調を維持できているのは、なぜだろうか。
まず注目したいのはアタッカー陣の好調だ。稼ぎ頭になっているのはヴィニシウス・ジュニオールとジュード・ベリンガムである。
ヴィニシウス は今季、18得点をマークしている。昨季の得点数(23)を上回る勢いで、ゴールを量産しているところだ。
「ボールを持っていない時の動きが、非常に良くなった。それは彼に欠けていたものだ」とはアンチェロッティ監督の弁だ。
■左サイドバック メンディの存在
また、ヴィニシウスの好調に言及する上で、欠かせない選手がいる。フェルラン・メンディだ。
2019年夏、移籍金4800万ユーロでリヨンからマドリーに移籍したメンディだが、以降、ジネディーヌ・ジダン前監督、アンチェロッティ監督から重宝され、左サイドバックのレギュラーポジションを確保してきた。
メンディは、マドリー加入後、公式戦161試合に出場して6得点10アシストを記録している。サイドバックの選手とはいえ、ゴール数・アシスト数は決して多くない。ただ、彼のストロングポイントはそこではない。
「ヴィニシウスが前にいて、攻撃面でクオリティを出してくれる。そして、メンディは、その後ろに構える左サイドバックとして、全てを兼ね備えている。度々、1対2の状況になるが、それにうまく対応している」
アンチェロッティ監督はこのように述べている。
■1対2の状況と偽サイドバック
攻撃に重心を傾けるマドリーのようなチームでは、屡々、守備時に数的不利に陥る。そのようなシチュエーションで、難なくストップしてみせるのがメンディだ。
メンディが1対2でも止めてくれるので、ヴィニシウスは、極端に言えば、下がって来なくて良い。ビッグマッチでは、そうも言っていられないが、それでもメンディが劣勢で相手の攻撃を寸断する、というシーンはある。
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