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30年目を迎えたJリーグのレベル。UEFAランキングに落とし込めば何番目か

杉山茂樹スポーツライター
ミハイロ・ムドリク(写真:ロイター/アフロ)

 チャンピオンズリーグ(CL)は、有力選手が代表からクラブに場所を変えて臨むW杯の組替え戦だ。同様に世界一決定戦といっても言い過ぎではない。カタールW杯を間に挟んで行われる今季(2022-23シーズン)のCLは、特にその色が強い。異なるユニフォームを着て、異なる環境下でプレーする選手に対して、親近感や興味をより抱かせる。

 たとえば、先の決勝トーナメント1回戦ドルトムント対チェルシー戦で、前者の一員としてプレーしたジュード・ベリンガム。カタールW杯でイングランド代表のベスト8入りに貢献した弱冠19歳のMFであることは言うまでもない。筆者はW杯終了後、あるメディアのベスト11を問うアンケートに彼の名前を加えている。イングランドが敗れた準々決勝対フランス戦も接戦かつレベルの高い好試合で、ベリンガムはチームともども、好印象を残しながらW杯の舞台を後にした。

 そうした選手がプレーする場所として、ドルトムントはいささか釣り合いが取れていないように見える。もうワンランク上のクラブでプレーできる、と。もっともベリンガム級でさえドルトムントであるという現実は、CLの舞台にどれほど好選手がひしめき合っているかを示すわかりやすい事例と言い換えることもできる。上位チームの椅子がいかに埋まった状態にあるか。トップを目指す道のりの険しさがベリンガムを通して見えてくる。

 カタールW杯で拝むことができなかった好選手も、CLには数多く出場していることがわかる。事実上の世界一決定戦に個人として出場している選手。孤軍奮闘している選手にも目を奪われる。

 ドルトムント対チェルシー戦では、後者の一員として先発したミハイロ・ムドリクがその1人だ。カタールW杯の欧州プレイオフでウェールズに敗れたウクライナ代表選手の左ウイング。シャフタール・ドネツクからこの冬の移籍市場でチェルシーに加入。さっそく先発出場を果たし、爪痕を残した。シャフタール時代にもCLで活躍していたので、その時すでにビッグクラブの目に止まっていた。チェルシー入りは当然という感じだが、こちらもまだ22歳である。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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