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久保建英とインサイドハーフの可能性。D・シルバの引退と新生ソシエダの未来。

森田泰史スポーツライター
移籍2年目を迎える久保(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

エル・マゴ(魔法使い)の不在は、大きな痛手だ。

レアル・ソシエダは、今夏のプレシーズンでダビド・シルバがひざを負傷。長期離脱が見込まれるなか、D・シルバがこのタイミングで現役引退を決断した。

久保とダビド・シルバ
久保とダビド・シルバ写真:なかしまだいすけ/アフロ

「今日はとても悲しい日だ。ずっと従事してきたものに別れを告げなければいけない」

「これまで家族のように触れ合ってきたチームメートに、ファンに、別れを告げなければいけない。とても恋しくなると思う。バレンシア、エイバル、セルタ、シティ、ラ・レアル…。すべてのサポーターに感謝したい。彼らのおかげで、僕はいつも自分がプレーしているところをホームのように感じられていた」

これはダビド・シルバの言葉である。

■D・シルバ加入の背景

ソシエダは2020年夏にD・シルバを獲得した。マンチェスター・シティとの契約が満了してフリーになっていたD・シルバを射止めた格好だった。

ソシエダは2019−20シーズンに大活躍したマルティン・ウーデゴールの代役を探していた。ソシエダでブレイクを果たしたウーデゴールだが、保有権を有していたレアル・マドリーへのレンタルバックが決まり、ソシエダとしては中盤の補強が必要になった。

ラツィオとソシエダからオファーを受け取っていたD・シルバであるが、スペイン復帰を選んだ。プレミアリーグ、FAカップ、EFLカップ、コミュニティ・シールド、コパ・デル・レイ、EURO、ワールドカップ…。計19個のタイトルを獲得してきたレジェンド級の選手が、ソシエダに加入した。

競り合うウーデゴールとデ・ヨング
競り合うウーデゴールとデ・ヨング写真:なかしまだいすけ/アフロ

数多のタイトルを獲得したD・シルバだが、エリート中のエリートだったかと問われたら、そうではない。

D・シルバはバレンシアのカンテラーノである。ただ、スムーズにトップチームには上がれず、2004−05シーズンにエイバルにレンタル放出された。なお、当時2部で戦っていたエイバルで、指揮を執っていたのはホセ・ルイス・メンディリバル監督である。

バレンシア時代のD・シルバ
バレンシア時代のD・シルバ写真:なかしまだいすけ/アフロ

エイバルでのプレーを経て、セルタにレンタル移籍。2度のレンタルを終えて、2006−07シーズン、ついにバレンシアのトップの選手として“デビュー”する。そこからD・シルバの輝かしいキャリアが築かれていったのだ。

■D・シルバの代役を探す必要性

そのD・シルバが、引退する。ソシエダは後釜を見つけなければいけない。代役候補の一人が、久保建英だ。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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