【大作】悩みや後悔をゼロにする!仮説思考に不可欠な「MECE」を理解する5つのパターン完全解説
■「抜けてる人」はMECEの意識が足りない
「俺はもう、これ以上議論してもしょうがないと思う」
ロジカルに議論してもいないのに途中で切り上げ、自分の意見を通そうとするマネジャーがいる。まだアイデアが出尽くしていないのにもかかわらず、である。
「売上が上がらないのは、円安の影響が大きいと思う。これ以外の原因は見当たらない」
相手が新入社員なら、
「勝手に決めつけるな」
「まだ他にもアイデアがあるだろう」
と突っ込めるのだが、相手が部長や課長だとそうはいかない。そのかわり、「あの人はいつも『抜けてる』よな」と陰でレッテルを貼られることになる。「MECE」で物事を捉える力が弱いからだ。
MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:ミ―シー)とは、「モレなく、ダブりなく」という意味だ。MECEの頭文字は以下の通り。
・Mutually(お互いに)
・Exclusive(重複せず)
・Collectively(全体に)
・Exhaustive(モレがない)
全体を客観視せず、思い込みが強いと「抜けてる」思考から抜け出せない。それでは「MECE」
とは何か? どうしたら「抜けてる」状態から抜け出せるのか?
今回は「残業削減」「仕事の効率化」を実現しながらMECE思考を手に入れるコツについて解説する。ぜひ最後まで読んでもらいたい。
<目次>
■「抜けてる人」はMECEの意識が足りない
■「モレ」と「ダブり」の組合わせ4種類とは?
■「MECE」が意識できる5種類のパターン
■最もカンタンな切り口――「二項対立」
■言語化しづらいときの切り口――「レベル」
■最もわかりやすい切り口――「プロセス」
■要素分解に必須の切り口――「分類」
■MECE王道の切り口――「構成・フレームワーク」
■なぜMECEで考えると悩みや後悔が減るのか?
■「モレ」と「ダブり」の組合わせ4種類とは?
意外にも「MECE」で考えるためのコツを紹介した本、ブログ記事は少ない。「MECE」とは何か?や「MECE」で考える重要性は書かれてあるにもかかわらず。
そこで今回は20年近いコンサルティング経験から、事例を使いながらわかりやすく解説したい。
野球でたとえるなら、「モレ」と「ダブり」の組合わせ4種類は以下のようになるだろう。
・「モレない&ダブりない」 → 9人の選手が揃っている
・「モレある&ダブりない」 → キャッチャーがいない
・「モレない&ダブりある」 → ピッチャーが2人いて10人の選手がいる
・「モレある&ダブりある」 → 選手は9人だがピッチャーが2人いてキャッチャーがいない
現実的にはあり得ないが、わかりやすい例だと思う。それでは問題解決の議論をしているシチュエーションでたとえてみよう。
なかなか残業が減らない部署があったとしよう。「残業削減」「仕事の効率化」が課題の部署だ。この場合、いきなり解決策を考えてはならない。ヒラメキに頼った仮説をいきなり出すのではなく、どんな業務に、どれぐらいの時間を費やしているのか、ロジックツリー等を使って分析することが必須だ。このときに必要なのがMECEの概念である。
たとえば労働時間を次のように要素分解したとしよう。
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