日本の10年国債の利回りが1.115%と2011年7月以来の水準に上昇 #専門家のまとめ
6日の債券市場では、10年国債の利回りが一時、1.115%まで上昇した。これは2011年7月以来、およそ13年半ぶりの高い水準となる。10年債利回りは27日の引け後に1.110%に上昇しており、2011年7月以来、13年5か月ぶりの水準となったが、その1.110%をあっさり抜いてきたのである。どうして10年国債の利回り、つまり長期金利と呼ばれているものがここにきて上昇してきたのであろうか。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
10年国債の利回りが上昇、つまり10年国債が売られた理由としては、7日に10年国債の入札があるため、そのヘッジとの見方もできる。
また来年度のカレンダーベースの国債発行計画で5年国債が今年度と比べ1.2兆円増発されることなども嫌気かとの見方もあった。
東京時間の米10年債利回りが4.62%と3日の4.60%から上昇していたことも要因のひとつであったかもしれない。
それよりもやはり日銀の金融政策に目が向けられているのではないかと思われる。
27日に10年国債が1.110%を付けたこともやや不可解な面があった。これは12月の金融政策決定会合の主な意見などから、1月も利上げはスキップされる可能性があったためである。
6日の債券市場の動きをみると、米長期金利は今後さらに上昇してくる可能性とともに、日銀が1月23、24日の決定会合での利上げの可能性を捨てきれずにいるとみていたほうが良いのかもしれない。
日銀の植田総裁は6日の全銀協の賀詞交歓会であいさつし、今年も、好循環が続けば「金融緩和度合いを調整するが、タイミングは今後の経済金融物価情勢次第で、様々なリスクに留意が必要」だと述べた。