上司に「仕事を楽しめ」と言われて悩みを深めた新入社員の悲劇 ~情報収集スキルを鍛えて克服しよう!
入社して半年して悩みを深めている新入社員がいた。話を聞いてみると、入社してすぐ配属された先の上司から、
「仕事は楽しんだほうがいい」
というアドバイスをもらったそうだ。その言葉がずっと心に引っかかっているという。
当初は「前向きなアドバイス」と素直に受け止めていた。しかし日々の業務をこなすうちに、
「自分は仕事を楽しめているのだろうか?」
「楽しめないのは、私に何か問題があるのだろうか?」
と思い悩むようになった。
とりわけ目先の単調な業務をこなしていると「楽しむ」という言葉が重くのしかかった。上司の温かいアドバイスが、思いがけず新人の心を追い詰める結果となったのだ。
実は「仕事を楽しむ」という言葉には、重要な見落としがある。それは「楽しい」ことと「面白い」ことの違いだ。新入社員をはじめ、仕事にやりがいを感じたいと思う人にとって、この2つの感覚の違いをしっかり理解したほうがいいだろう。
今回は「楽しい」と「面白い」の違いを理解し、どうしたら仕事を面白がることができるのか、そして楽しむことができるのかを徹底解説する。「仕事を楽しめない」と感じている人や、部下育成で悩んでいるマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
<目次>
■「楽しい」と「面白い」の違いって?
■「楽しい」「面白い」の違いを3つの切り口で考えてみる
(1)プロセスと結果
(2)即時性
(3)独立性
■仕事を楽しむことの難しさ
■仕事を楽しむには「オタク的視点」を持て!
■大谷翔平選手はどれぐらい凄いか? 「オタク的視点」で考える
■仕事を楽しむには「情報収集スキル」が必要な4つの理由
■まとめ
■「楽しい」と「面白い」の違いって?
仕事で「楽しい」と「面白い」は似た感覚を表している。だが本質は異なる。「楽しい」とは、感情的な満足感や幸福感を指す。たとえば、職場の人間関係が良好だったり、成功体験を共有したりするときに感じるものだ。
ちなみに仕事と遊びとでは、使うシチュエーションが違う。家族と休日に旅行へ行ったり、友人とお酒を飲んで味わう「楽しさ」と違うことは覚えておこう。
いっぽう「面白い」は知的好奇心や興味が刺激される感覚のこと。結果よりもプロセスや新たな発見に重きを置く。たとえば、難しい課題を解決するプロセスや、新しい視点を得たときに「面白い」と感じるだろう。
「面白さ」も同じだ。仕事と遊びとでは、かなり違う意味になる。友人のバカげた話を聞いて笑ったり、漫才を見て味わう「面白さ」とは違う。
「楽しい」は外的要因に影響されやすく、「面白い」は自分の姿勢や働きかけで感じられる違いがある。こういった違いをさらに詳しく見ていきたい。
■「楽しい」「面白い」の違いを3つの切り口で考えてみる
それでは、「楽しい」「面白い」に関して次の3つの切り口で違いを解説していこう。
(1)プロセスと結果
「楽しい」と感じるためには、結果が重要だ。たとえばプロジェクトが成功し、その結果をチームと共有する瞬間が挙げられる。この瞬間、自己肯定感や達成感が上がって「やってよかった」「楽しかった」と思うはずだ。
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