食欲の秋に太りやすい本当の理由 20kgのダイエットに成功した保健師が勧める、秋太り対策3つの方法
こんにちは保健師・ノンオイル料理研究家の茨木くみ子です。
お彼岸も近いのに、まだまだ、残暑厳しい日が続いていますね。
今年の夏は酷暑でしたので、夏バテで食欲が低下した人は多かったのではないでしょうか。
夏バテで体重が減り、「ダイエットできてラッキー」と思っている方ほど、
「食欲の秋」に大幅なリバウンドによる体重増加が起こることがあります。
秋太りと夏バテの密接な関係や、身体の冬支度など、秋に起こる心身の変化を理解できると、太らず、秋の味覚を楽しむことができるようになります。
今日はそのポイントについてお話させていただきたいと思います。
わたしは料理家ですが、同時に保健師として相談業務を25年以上しています。
その中で一番多いのが、食生活のアドバイスです。高血圧・高脂血症・糖尿病・摂食障害・過食の相談などなど、多くの方の食事指導をしてきました。
しかしそんな私も昔、ダイエットの罠にはまり苦しんだ一人です。
現在は20kgのダイエットに成功し、体重を維持して20年以上経過。ふとらない体を手に入れることができたと確信しています。
「食欲の秋」とは
夏の暑さが一段落し、心地よい秋風が吹くと、寝苦しかった夜も熟睡できるようになり、体調が整い、疲れていた胃腸が回復してきます。そんな折、収穫の秋の食材、脂ののった魚、果物、お芋、栗などの秋の味覚が出回り、どれを食べても美味しく感じられ、ついつい食べ過ぎてしまう現象。
これが「食欲の秋」の正体です。
夏バテによる体重減少は身体にとって「飢餓状態」だった
脳は夏バテによる食欲低下や体重減少を、一時の飢餓状態と判断し、落ちた体重を取り戻そうと躍起になっています。さらに、次の飢餓に備えるために、エネルギーを蓄えようと、さらに食べさせようとしています。
夏バテで体重が減った人ほど、秋は太りやすくなる理由はここにあります。
飢餓の後の過食は生理的な反応のため、理性でコントロールすることは並大抵ではありません。
秋は生理的にも太りやすい季節
・身体が始める冬支度
冬の寒さから体を守り、体温を維持するために皮下脂肪を蓄える冬支度が始まります。これは体重を増やして冬に備える自然のシステムで、冬の寒さに備えるために、身体に脂肪をつけて体温を維持できる体にしようとします。
・日照時間減少・照度低下との関係(セロトニン分泌低下)
夏から秋になると、秋の夜長で日照時間が減少します。
セロトニンは精神の安定化を保つ作用のある脳内の神経伝達物質で、 食欲の調整にも深く関わっています。
セロトニンは日光を浴びることが少ないと分泌量が減少します。
減少した分を取り戻そうと、たくさん食べたり眠ったりすることでセロトニンを増やし、精神の安定を保とうとするからではないかと言われています。
秋太り予防のためのポイント
秋の始まり、残暑の頃の食生活がとくに大切です。この期間に体重を減らさないことが、食欲の秋を太らず楽しく過ごすポイントです。
1.食事を抜かない 長い空腹は避ける
「脳に飢餓状態だと思わせない」これが大切です。
急激な減量は体にとってストレスであり、体はエネルギーを節約しようとします。
人間は「ホメオスタシス」という仕組みを持っています。これは、生命を維持するために一定の体重を維持しようとする働きです。普段の体重から大きく変動すると、脳は体が飢餓状態だと錯覚し、元の体重に戻そうと脂肪をため込もうとしたり代謝を下げたりするのです。そのためにも食事は抜かずに三食食べることが大切です。
2.脳が安心できる穀物と満足感が高まる、だし汁や、精神安定作用のあるハーブやお茶を利用する
脳のエネルギーはブドウ糖です。穀物は細く長くブドウ糖を脳に供給できる素晴らしい食品です。穀物は抜かずに食べてください。
そして食べ過ぎやすい夕食時に、味噌汁やお吸い物をいただくのがお勧めです。
出汁の効いた汁物を飲むと、ほっとできる方は多いと思います。
鰹節、昆布、煮干しなど、日本のだし汁には、精神安定効果があることが分かっています。
「かつお節」のイノシン酸、「昆布」にはグルタミン酸、「干しシイタケ」にはグアニル酸という、旨味成分が豊富に含まれています。
これらがリラックス作用を発揮し、自律神経を安定させ、食べ過ぎを予防してくれるのです。
3.秋の夜長のだらだら食べに注意
食事が終わったら、だらだらといつまでも食べ続けずに、歯磨きをしてしまうと、そのあとの時間を有効に使うことができます。
ゆっくりと入浴の時間にあてたり、ストレッチや読書などリラックスできる時間を作りましょう。
夏の終わりから準備することで、「食欲の秋」も太らず、秋の味覚をおいしく楽しむことができます。
まだまだ熱帯夜が続きます。熱中症・夏の血栓症が起こりやすい季節です。
寝る前の水分摂取は忘れずにしてください。これだけで、救える命はたくさんあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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