保健指導歴30年の保健師が悪玉コレステロール対策で実践していること。毎日食べている血液サラサラ食品
こんにちは保健師・ノンオイル料理研究家の茨木くみ子です。
私は主に産業保健(会社の保健師)で働く方々の健康管理をしてきました。
(健康診断の結果説明や生活習慣病予防・メンタル対策など)
健康診断の結果を開けるとき、ドキドキされる方は多いと思います。
わたしも数年前、胃のバリウム検査で要精密検査(粘膜不正)の結果だったことがありました。
結局は胃カメラ検査で問題は何かったのですが、精密検査の結果が出るまで、とても心配しました。
また、数年前ですが、悪玉コレステロールがすこし高くなったこともありました。
食生活をかなり気を使っていたので、とてもショックでした・・・・
わたしの父と祖父は総コレステロールが300mg/dl以上あり、遺伝的に高くなりやすい体質のようです。
そこで食生活などをさらに気を付けることで、今は正常値を保っています。
そんなことから検査結果を見るときはいつもドキドキです。
今日は私自身が脂質異常症・悪玉コレステロール対策のために実践していることをご紹介させていただきます。
この内容はコレステロール値の高い方によくお話ししている内容で、試してくださった方は
その後の再検査で数値が改善し「保健師さんよくなったよ」と、喜んでいただけることが多い内容です。
気になる方は是非、できるところからトライしてみてください。
悪玉コレステロール対策のお話の前に、少し脂質異常症についてお話させていただきます。
脂質異常症(高脂血症)とその4つのタイプ
悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が高くなることを高脂血症と言います。
主に下記の4つに分類されることが多いです。
- 高LDLコレステロール血症:LDL-コレステロールが多いタイプ
- 低HDLコレステロール血症:HDL-コレステロールが少ないタイプ
- 高中性脂肪血症 :中性脂肪が多いタイプ
- 高Non-HDLコレステロール: non-HDLコレステロールが多いタイプ
non-HDLコレステロールは"総悪玉"と言われています。
血液中にはLDLコレステロールとは別の悪玉が潜んでおり、その別の悪玉を含めたすべての悪玉の量を表すのが、non-HDLコレステロールの値になります。
脂質異常症の診断基準
総コレステロール 基準値 140~199mg/dl
LDL-コレステロール 基準値 60~119mg/dl
HDL-コレステロール 基準値 40mg/dl以上
中性脂肪 基準値 30~150mg/dl未満
Non-HDLコレステロール 基準値 90~149mg/dL
基準値とは
健診や人間ドックで用いられる基準値とは、健康な人々の検査データを統計学的に算出した数値のこと。このデータは、20〜60歳くらいまでの健康な人の検査成績をもとに、上限と下限の2.5%ずつを除外したもので、残りの95%の人の数値が基準範囲とされています。
「現時点では健康と考えられる人の95%が含まれる範囲」が基準値ということになります。
脂質異常症のリスク
脂質異常症が進むと、血管が動脈硬化を起こし、脳梗塞などの脳血管障害、心筋梗塞など命に係わる病気になることがあります。
血管は私たちの命と命を結ぶ、大切な管ですので、いつまでも若々しく弾力がある血管が望ましく、そのためにも、血液はサラサラのほうが、詰まりにくく、血管も老化しにくいのです。
脂質異常症の原因
脂質異常症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、アルコールの飲みすぎ、ストレスなどが関係しているといわれています。
また遺伝的な要因も大きく影響し、「家族性高コレステロール血症」と呼ばれています。このタイプは、遺伝性ではないタイプのものに比べてLDLコレステロール値が高く、動脈硬化が進行しやすいことが知られています。
脂質異常症・悪玉コレステロール対策でわたしが実践していること
無理のない運動(一日中座ったままでいない、身体を使って家事などをする。)
脂質異常症対策で運動の効果は絶大です。
中性脂肪(トリグリセライド)を減少し、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすことが分かっています。
有酸素運動を30分程度が望ましていと言われています。
保健指導の現場でも運動を始めることで、数値が改善できた人はとても多く、運動の威力はすごいなといつも実感しています。
それなのに、わたしはあまり運動が好きではないため、日々の日常生活の中で、できるだけ運動に近いものを取り入れるようにしています。
例
・買い物などで移動するときに、小走りと早歩きを組み合わせて歩く。
・床の拭き掃除など、少し汗が出る程度の負荷を身体にかけて行う。
・YouTube動画の中から速歩やエクササイズのものを選び、少し呼吸が苦しくなる程度に行う。
運動はコレステロールの改善以外にも、アドレナリンやセロトニンなどの脳内物質が出るので、満足感やすっきりとした気持ちになれ、夜はぐっすり眠れ、いい歯車を回すことができます。認知症予防など、脳の活性化にも大いに役立つといわれています。
控えめがお勧めの食品(私自身控えめにしている食品)
〇ハンバーグやソーセージなど肉の脂身・バター・生クリーム・アイスクリーム・チーズなど動物性脂肪の多い食品
〇卵や魚卵などコレステロールの多い食品 (卵を毎日数個食べるのは多いです。)
〇揚げ物や炒め料理・洋菓子・スナック菓子やドーナツなどトランス脂肪酸が多く含まれる食品です。
〇トリグリセライド(中性脂肪)の高値の要因としては、油もののほか、アルコールや糖分の摂りすぎも影響するといわれています。
食べていただきたい食品(週に何度かコンスタントに食べるようにしているもの)
〇青背魚(鯖、イワシ、アジ、ブリなど)
DHAとEPAは動脈硬化や血栓症の予防に役立ちます。
しかしたくさん食べると脂質が多いため、肥満の原因になりますので、食べ過ぎは注意です。
毎日少量を継続して食べることが効果的です。
(鯖缶など毎日大匙1食べ続けるなどお手軽でおすすめです。)
〇もずく、めかぶ、わかめなどの海藻
海藻の摂取頻度が多い人は、虚血性心疾患の発症リスクが低いことが、国立がん研究センターなどが実施している調査で明らかになっています。ページに飛びます。
海藻を「ほとんど食べない」グループと比較して、海藻を「毎日食べる」グループの虚血性心疾患の発症リスク大幅減となっています。
〇玉ねぎ 玉ねぎのサラダなど 生の玉ねぎに含まれるケルセチンは血管についた脂肪をおとし血管に柔軟性を与え、高血圧予防の効果が分かっています。
また辛味成分イソアリインやケルセチンは血栓の予防効果がわかっています。
〇きのこ 椎茸やきくらげがお勧め椎茸やきくらげの成分に悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、血流をよくして血圧を低下させることから動脈硬化や高血圧予防にも効果が期待できます。
〇発酵食品、特に酢がお勧め
(酢酸にコレステロールを下げる効果を検証した調査結果があります。)
酢酸の血中コレステロール値低下作用を確認、ミツカンが報告
〇総合してやはり和食がおすすめです。
日本人の身体は遺伝子レベルで和食が体に合うようにできています。
昔から「身土不二(その土地の人はその土地でとれる食品が体に合っている)」と言いますが、それが遺伝子レベルで解明できるようになってきました。
私たち日本人はお米を主食にいただき、おかずに魚や大豆製品、発酵食品・海藻を取り入れた食生活が一番おすすめです。
〇毎日少量ずつ継続して食べること。
これらの食品を継続して少しずつ食べ続けること。しかしこれが、意外と難しいのです。
そこでわたしはこのようにしています。
・魚は鯖缶などを利用し、大匙1杯づつ週何回かいただく。
・玉ねぎや海藻・キノコは酢漬けを作り、冷蔵庫に常備する。
玉ねぎ酢は特にお勧めで、そのまま食べるほか、ポテトやマカロニサラダに加えたり、
焼いた肉や魚といただいたり
タルタルソースや香味ソースの玉ねぎの代わりに加えたりと食べ方もいろいろ工夫できます。
作り方はこちらの記事をご覧ください。
一日1回、夫も一緒に食べています。夫も今のところ健康診断結果に異常値はありません。
保健指導歴30年の保健師が毎日食べているレシピ 血管を若々しく血液サラサラ 悪玉コレステロール対策
健診結果の異常値は生活習慣だけで改善できない場合もありますが、
生活習慣病は字のごとく「生活習慣が原因の病」です。
少しずつ気を付けてゆくと、悪化を防ぐ効果は大いに期待できます。
食べたもので体は作られ、食べたものを燃やして私たちは生命を維持しています。
どんなものを食べるかは、とても大切だとわたしは思います。
生活習慣で改善できない場合もあります。
健診結果によっては、薬物療法が必要な場合もあります。
結果に書かれている判定に合わせて、必要な方は早めに医師に相談しましょう。
また、治療が必要な方は自己判断での休薬はせずに内服治療を継続してください。
YouTubeやInstagramでは、バターオイルなしの身体に優しく、血液がドロドロしにくい健康的なレシピをたくさんご紹介しています。
是非ご参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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茨木くみ子