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シメオネ・アトレティコの野望。アルバレス、グリーズマン、スルロットの共存の可能性。

森田泰史スポーツライター
アトレティコに移籍したフリアン・アルバレス(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

今季、ラ・リーガで最も注目のチームはアトレティコ・マドリーかも知れない。

アトレティコは今夏、フリアン・アルバレス、コーナー・ギャラガー、アレクサンダー・スルロット、ロビン・ル・ノルマンといった選手たちを一挙に獲得。レアル・マドリー、バルセロナを凌ぐ勢いで大型補強を敢行して、2024−25シーズンに備えた。

■シメオネのプラン

ディエゴ・シメオネ監督は、堅守速攻のスタイルで、アトレティコを強くしてきた。就任当初は【4−4−2】を軸に、3ラインでコンパクトに戦い、カウンターとセットプレーから勝機を見出す戦い方を徹底していた。

だが近年、そこに変化が生じている。システムを【3−5−2】に換えながら、シメオネ監督はポジショナルプレーを志してきた。カウンタースタイルからポゼッションスタイルへの移行を意識しながら、チームビルディングに取り組むようになった。

ボールをキープするフリアン・アルバレス
ボールをキープするフリアン・アルバレス写真:ロイター/アフロ

そのような中で、この夏、冒頭に触れたような大型補強があった。なかでも、大きかったのはアルバレスの獲得だ。

アトレティコは移籍金固定額7500万ユーロ(約121億円)でマンチェスター・シティと合意に至り、アルバレスを獲得した。 アーリング・ハーランドという絶対的なストライカーがいるシティで、2番手のFWというポジションに甘んじていたアルバレスには、移籍の意思があった。そこを、突いた格好だった。

アトレティコのエースとして活躍してきたグリーズマン
アトレティコのエースとして活躍してきたグリーズマン写真:ムツ・カワモリ/アフロ

シメオネ監督にとって、長年、重要だったのがアントワーヌ・グリーズマンの存在だ。カウンタースタイル、ポジショナルプレー、いずれにせよ、シメオネは攻撃の局面ーーとりわけ最後の局面ーーで「グリーズマンにボールを預ける」ことを考えてきた。ゴール前のアイデア、ラストパス、左足のキックの精度、グリーズマンのそういった能力に賭け、攻撃の打開を試みてきた。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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