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だから日本は外交で負け続ける

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(149)

皐月某日

TPPを担当する西村康稔内閣府副大臣が5月4日にワシントンで記者会見し、TPPの交渉文書をアメリカがやっているように日本の国会議員にも閲覧させる考えを表明した。ところがその舌の根も乾かぬうちに「真意が伝わっていなかった」と発言を撤回した。

甘利明TPP担当大臣は「米国と日本では内閣と議会の役割が憲法上異なっており、同じことをせよと言っても不可能だ」と述べ、国会議員への情報開示を否定した。こうした発言に日本外交がアメリカに勝てない大きな理由が隠されているとフーテンは考える。

敵は政府と議会が対立しているように見せながら実はぐるみになって立ち向かってくるが、日本は政府が国会を無視する形で交渉を行い、そのため交渉カードを数多く持つ相手に翻弄され、譲歩させられてきたのが戦後の日米関係ではないかと思うからだ。

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ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:7月28日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

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