だから日本は外交で負け続ける
フーテン老人世直し録(149)
皐月某日
TPPを担当する西村康稔内閣府副大臣が5月4日にワシントンで記者会見し、TPPの交渉文書をアメリカがやっているように日本の国会議員にも閲覧させる考えを表明した。ところがその舌の根も乾かぬうちに「真意が伝わっていなかった」と発言を撤回した。
甘利明TPP担当大臣は「米国と日本では内閣と議会の役割が憲法上異なっており、同じことをせよと言っても不可能だ」と述べ、国会議員への情報開示を否定した。こうした発言に日本外交がアメリカに勝てない大きな理由が隠されているとフーテンは考える。
敵は政府と議会が対立しているように見せながら実はぐるみになって立ち向かってくるが、日本は政府が国会を無視する形で交渉を行い、そのため交渉カードを数多く持つ相手に翻弄され、譲歩させられてきたのが戦後の日米関係ではないかと思うからだ。
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