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日本海リーグ“ターム1”は富山GRNサンダーバーズが1ポイントゲット!吉岡雄二監督が振り返る

土井麻由実フリーアナウンサー、フリーライター
吉岡雄二監督(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

■ターム1は富山GRNサンダーバーズが先取

 今年から活動を開始した日本海リーグに加盟するのは石川ミリオンスターズ富山GRNサンダーバーズの2球団で。瀬戸和栄リーグ代表は「世界一小さなミニマムリーグ」と表現する。

 両チームの対戦はシーズン40試合が行われ、ターム1が15試合、ターム2が15試合、そしてターム3が10試合の3ターム制。各タームの勝率が高いほうに1ポイントが付与され、2ポイントを奪取したほうがリーグ優勝となり、「日本独立リーググランドチャンピオンシップ2023」(9月29日~10月1日@坊ちゃんスタジアム)に出場する権利を獲得する。

 4月29日に開幕し、6月24日にターム1が終了したが、ターム1は最終戦までもつれた。14試合終了時に富山7勝、石川6勝(引き分けが1試合)で、富山がターム1のポイントを獲るためには最終戦で勝つか引き分け、もしくは敗戦ならば3点差以内でというのが条件になった。

 そして迎えた最終戦は8-3で勝利し、みごとターム1のポイントを先取した。

(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

■最終戦「勝ちにいこう」と話した

 では、ターム1を富山GRNサンダーバーズの吉岡雄二監督に振り返ってもらおう。

 「ターム1で先取できたことはよかったと思います」と笑顔を見せた吉岡監督は、勝負のかかった最終戦について「あの試合は朝のミーティングでも『勝ちにいこう』という話はしましたね。みんなで獲りにいこうと。ただ、そこだけに意識することなく、『そのための準備はしっかりしてくれよ』ということも言いました」。

 相手の先発・サントス投手は難敵だ。対策を講じた。

 「今までサントスと対戦していて、なかなか点を獲ることが難しかった。そんなにバンバン打ってということは考えづらいピッチャーではあるので、うまく足をからめて先制点を取ることができた。あれで勢いが少しついたんじゃないかと思いましたね」。

 初回、先頭の根本大輝選手が四球で出塁すると、なんと次打者に犠打のサインを出した。カウント1-1からは盗塁を仕掛け、捕手の送球エラーを誘って三進。墳下大輔選手のタイムリーで先取点を取った。二回も得点こそできなかったが、足で揺さぶった。

 「ただ、あの試合は(サントスは)2イニングしか投げていないので、もう少し長く投げたらまたわからない。でも、それまでにはない点の取り方ができたんじゃないかと思います」と、攻撃のバリエーションが増えたことに手応えを感じている。

4番・島村功記(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
4番・島村功記(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

■打者個々にレベルアップを

 2チームなので、同じ相手との対戦が続く。やられている投手には当然、監督として攻略法を考える。ただ、それだけでいいわけではない。

 「作戦的なことは僕が考えたらいいことなんですけど、たとえばああいうボールが速くて変化球もいいピッチャーに対しての対応力は、個々に上げていってもらいたい。けれど、そこはなかなか上げきれていない子が多かったので足をからめて。足がある選手がいるので、そうしたほうが打つチャンスも出てくるなとは思いました」。

 吉岡監督が求めるのは個々のレベルアップだ。作戦ももちろん駆使するが、それぞれが相手投手を打ち崩せるようレベルを上げてほしいと望んでいるのだ。

 それだけに、今の野手陣には少し物足りなさも感じている。「グンッと伸びたっていう子は、そこまでいないですね。持っているなりかな。もっとできるだろうと思うので、まだまだっていう感じですね」と伸びしろに期待しているだけに、打撃についてはさらなる研鑽を課す。

 しかし、“足”に関しては「最終戦(5盗塁)もそうですけど、けっこうみんな仕掛けてくれて非常によかった」と、選手の積極性を褒める。

 「スチールが成功すると攻撃にスピード感も出てくる。もちろんアウトになったときのリスクもあるんですけど、セーフになるとさらに勢いが出てバッターも打ちやすくなるし、雰囲気も思いきってやりやすい状況になる」。

 ターム2でもさらに使っていきたいと意気込んでいる。

吉岡雄二監督(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
吉岡雄二監督(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

■投手の成長株は・・・

 一方、投手陣はどうだろうか。

 「後ろがしっかりしてくれているので、先発だったり、そこまで投げる子たちも投げやすかったんじゃないのかなと思いますね。一人で投げきらなくちゃいけないというより、しっかり1イニングずつ積み重ねればという考えで投げられたんでしょうね」。

 クローザーの山川晃司投手はじめ、投手や日渡柊太投手、大島嵩輝投手ら、鉄壁のリリーバーに絶大な信頼を寄せる。

2年目の上積みを感じさせる快(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
2年目の上積みを感じさせる快(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

◆林悠太

 成長ぶりが目立った投手を問うと、まず林悠太投手の名前を挙げた。

 「先発で投げるたびに状態が上がり、ボール自体もよくなっていった。タイガース戦(6月28日)ではやられたんですけど(2回4失点)、相手がNPBとか力のあるバッターになると、よくなればよくなったで超えていかなくちゃいけないというか、さらに力をつけていかなくちゃいけない。落ちてきたのではなく、さらに上がらないといけない要素が出てきたということ」。

 成長したからこそ、さらに上の課題が出てきたということだ。「うまくいかないことが、また成長させてくれると思うので。そのとらえ方次第ですね」と、林投手にさらなる進化を求める。

林悠太(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
林悠太(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

◆大島嵩輝

 もう一人挙げたのは大島投手だ。「順調というか、自分をしっかり出せてゲームをやれている」とうなずく。

 中継ぎでほぼ毎試合に登板し、ときには複数イニングも投げた(ターム1は公式戦9試合に登板)。5月26日には先発も経験し(4回3安打2失点)、選抜チームでの中日ドラゴンズ戦(6月20日、21日)では連投もした。そしてターム2の初戦に先発し、5回(55球)を投げて4安打2失点で勝ち投手にもなっている。

 「技術だけではない、コンディションだったり体の力というところ、投げる力というのも成長してきている。タイガース戦でもポンポンと自分の持ち味を出して抑えていた。そういうところは、これからも非常に楽しみ」。

 吉岡監督から見る大島投手の魅力とは、「緩急」にあるという。「最近、ああいうタイプはなかなかいない。パワー系はいるけど、そこに緩急が使えるピッチャー」。

 例に出すのが阪神タイガース佐藤輝明選手との対戦だ(6月28日)。「2ボールから変化球を投げて空振り。完全にズレていた。ああいう空振りの仕方を取れるのが特徴」。完全にタイミングを崩された佐藤選手はくるりと一回転するほどの空振りを見せ、最後は左飛に打ち取られていた。

 「全体的にもう少しレベルアップができたときに非常におもしろいし、チャンスが来るんじゃないかという楽しみがある。本人ともそういう話はしています」。

 ターム2でのさらなる飛躍を見たい。

大島嵩輝(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
大島嵩輝(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

◆日渡柊太

 また、開幕戦で無死満塁で登場して3連続三振という衝撃のデビューを飾った日渡投手についても語ってもらった。

 「もう二つくらい成長できる要素があるので、そこがなかなか今の段階で形に出せていない。やっぱり上(NPB)を狙うってなった場合に、もう二つくらいレベルアップしないと」。

 求めるものが高いがゆえに、現状では満足できないという。球速もコントロールもさらに上げなければならない。

 「スピードは出る子だと思うけど、ただ思いっきり投げて球速出ました、では難しい。自分で扱えるボールじゃないと。コントロールも悪いわけじゃない。ただ、もう一つ二つボールのレベルを上げて、なおかつ、それを自分自身が操れるというか、うまく使えるというところになってほしい。公式戦で抑えるというレベルのところではなくね」。

 期待するからこそ「まだまだ」と表現する。それだけ伸びる余地があるということだ。

日渡柊太(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
日渡柊太(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

■ターム2の展望

 さて、ターム2は6月25日にスタートし、2試合を消化して1勝1敗。このタームも最後までもつれるのだろうか。

 「野手(の起用)はコロッと変わるということはないですけど、ピッチャーに関してはいろいろ考えながら起用法を変えていきたいなと思っています。先発と中継ぎを入れ替えたりということも含めて、可能性を追っていきたいなと。(高校卒ルーキーの)石灰一晴)や小笠原天汰)はイニングを増やしたい。彼らは計画性を持ちながら育成したいと思っています」。

 ターム1では登板のなかった大谷輝龍投手も、ターム2では要注目だ。

 タイガースとの戦いで選手たちの成長した姿を見出したという吉岡監督。

 「あの試合をきっかけに変わるということもあると思うので、これからの考え方や行動も含めて見ていきたいですね」。

 ターム2も勝利は求めながらも、しっかりと選手たちを育成していく。

左:石灰一晴 右:小笠原天汰(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)
左:石灰一晴 右:小笠原天汰(写真提供:富山GRNサンダーバーズ)

【富山GRNサンダーバーズ*ターム1のチーム成績】

8勝6敗1分 勝率.571

《投手》

防御率3.52 被安打118 被本塁打4 奪三振114 与四球68 与死球18 

暴投10 捕逸2 失点65 許盗塁23 盗塁阻止率.281

《野手》

打率.260 出塁率.351 長打率.340 得点73

打数500 安打130 二塁打27 三塁打5 本塁打1

三振109 四球65 死球8 犠打2 犠飛6 盗塁17 盗塁成功率.810

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開幕戦

2戦目はシーソーゲーム

原石を磨く吉岡雄二監督

阪神タイガースとの交流試合

フリーアナウンサー、フリーライター

CS放送「GAORA」「スカイA」の阪神タイガース野球中継番組「Tigersーai」で、ベンチリポーターとして携わったゲームは1000試合近く。2005年の阪神優勝時にはビールかけインタビューも!イベントやパーティーでのプロ野球選手、OBとのトークショーは数100本。サンケイスポーツで阪神タイガース関連のコラム「SMILE♡TIGERS」を連載中。かつては阪神タイガースの公式ホームページや公式携帯サイト、阪神電鉄の機関紙でも執筆。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報を伝えています!!

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