大晦日まで引っぱった2022年飲食10大ニュースと2023年への道(8000文字超)
- 第10位 引き続き焼肉業態は好調も、チェーンの明暗くっきり
- 第9位 冷凍麺、新ステージへ
- 第8位 続く名店の閉店。さまざまなその後
- 第7位 絶賛営業継続中。なのに×××も続々。
- 第6位 ガチ○○○○
- 第5位 天啓から人為へ。クラフト××、ブームの入り口に立つ
- 第4位 ××と食中毒とSDGs
- 第3位 円安、コロナ、原料高、値上げラッシュとその先にある希望
- 第2位 ”××××”を促進する○○○○○大ブレイク
- 第1位 メーカー、飲食店、スタートアップも×××××××
第10位 引き続き焼肉業態は好調も、チェーンの明暗くっきり
東京でもあのイタリアンの名店「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」が「焼肉LaBettola」という新業態に乗り出したが、2020年に始まったコロナ禍以降、焼肉業態は飲食の救世主とも言えるような好調ぶりだった。
緊急事態宣言発出時には他業態が壊滅的な打撃を受けるなか、焼肉は業態特有の換気の良さと「どうせ外食するなら(家だと匂いのつく)焼肉を」などのニーズの高まりもあってダメージは最小限に抑えられたといえる。いまも好調な業態に対する好感に後押しされ、出店の決定プロセスでもポジティブに推移。規模の大小問わず焼肉業態はいまなお活況を呈している。
とりわけ存在感が強いのが「焼肉ライク」のように、サブスクモデルなど目新しいサービスを提供するニュータイプ焼肉店。もっとも2020年10月に立ち上げ、「全品390円以下」「5年で400店、10年で600店を目指す」としていた「焼肉の和民」は立ち上げ2年を過ぎたいまもまだ30店に到達していない。人気業態でも「安かろう」だけでは日本の飲食業界では存在感を発揮できないことが明確になった。
第9位 冷凍麺、新ステージへ
コロナ禍以降、食事の内食化が進み、宅配や中食が活況を呈していたが、2022年は大手の製麺や冷凍・解凍の技術やアイデアが一気に形になった。2021年発売の「日清本麺」が発売1年で500万食という大ヒットとなり、同社は今年も「ごくり」シリーズを発売。コロナ禍で大転換となった消費者のニーズを反映したアイテムが今年は一気に形になった。
パッケージ内に(電子レンジでの解凍加減が麺や具材とは違う)氷を入れ込むという新発想でレンチンするだけ(水洗いなし)で冷やし中華になるニチレイの「冷凍冷やし中華」、発売5年目にして、いまなお麺の食感を向上させるリニューアルが続くキンレイの「お水がいらない鍋焼きうどん」など各社から続々冷凍麺の新機軸が発売されている。
名店の冷凍麺も新たなステージへ差し掛かった。宅麺.comなどの先行者に加えて、「全国の有名ラーメンを味わえる冷凍ラーメン自販機」の「ヌードルツアーズ」がラーメン店の店頭でおなじみになりつつある。
変わり種としては、米国シリコンバレーから逆輸入とも言える形となった、冷凍麺の自動調理自販機「ヨーカイエクスプレス」。2022年春から羽田空港第2ターミナルのほか、首都高速のパーキングエリアやJR上野駅など設置箇所を増やしている。一風堂やテーブルマークなどの関連事業者が続々と参画。日本ではラーメンからスタートしたラインナップにそばやうどんも追加された。米国ではパスタなどもラインナップに入っている。設置場所やアイテムなども含め、展開を注視していきたい。
個人店の通販も工夫が続く。2022年は、学芸大学の「リ・カーリカ」が冷凍手打ちパスタの通販に乗り出すなどレストラン自身が冷凍麺の通販に乗り出すケースも見られた。冷凍関連の技術も様々な事業者がアップデートを繰り返していて、スタートアップのデイブレイクのように、次世代型急速冷凍機を開発に注力する企業もあまたある。つまり冷凍麺の進化はまだまだ続いていく。
第8位 続く名店の閉店。その後のさまざま
今年は年末まで閉店ラッシュが続く1年だった。コロナ禍で苦境に陥った店もあれば、業態の見直しを決断した店もある。フレンチの巨人、三國清三シェフの「オテル・ドゥ・ミクニ」が12月28日、37年間続いた歴史に幕を下ろした。80席ある客席を大幅に減らし、同じ場所で少人数制の店舗として2年後に再スタートを切る予定だという。奇しくも同日、何の予告もないまま「永い間、ありがとうございました。(スタッフ一同)」という手書きの張り紙とともにひっそりと暖簾を下げたのが、下町の名酒場「大林」だった。こちらは前日まで常連にさえ何も告げず、29日の日中、後片付けをしていた店主と顔を合わせた常連によって判明した。
現実に立ち向かう、それぞれの決断がある。
第7位 絶賛営業継続中。閉店誤情報も続々
一方で閉店にまつわる誤情報も多かった。例えば、次のような噂が春先に流れたことがある。
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